
FXでトレンドラインを引いていると、価格がライン付近まで戻ってきたときに、
「ここから反発するのでは?」
と考えることがあります。
今回紹介するのは、2020年7月16日にEUR/JPY(ユーロ円)で行ったトレードです。
日足、4時間足、1時間足の順番で相場を確認し、最終的には1時間足のトレンドライン付近から買い。前回高値付近で利益を確定し、結果は約+25pipsでした。
ただ、この記事で伝えたいのは、
「トレンドラインで買えば25pips取れる」
という話ではありません。
むしろ注目してほしいのは、
「日足では方向感がないのに、なぜ買ったのか?」
「4時間足では下方向も警戒していたのに、なぜ1時間足では買えたのか?」
「もっと利益を伸ばすこともできたのに、なぜ前回高値で利確したのか?」
という部分です。
この記事は、2020年当時のトレード記録を、現在の視点でもう一度振り返りながら再編集したものです。
当時の判断をすべて「正しかった」として紹介するのではなく、今見返すと改善した方がいいと感じる部分も、そのまま書いていきます。
今回のEUR/JPYトレード概要
まず、今回のトレードを簡単に整理しておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通貨ペア | EUR/JPY(ユーロ円) |
| トレード日 | 2020年7月16日 |
| 売買方向 | 買い |
| 環境認識 | 日足・4時間足 |
| エントリー判断 | 1時間足 |
| 主な根拠 | トレンドライン付近からの短期反発 |
| 利確 | 前回高値付近 |
| 結果 | 約+25pips |
今回の特徴は、上位足を見て、
「強い上昇相場だから買った」
わけではないことです。
日足では方向感をはっきり決められず、4時間足ではむしろ下方向へ動く可能性も考えていました。
それでも1時間足まで落として見ると、短期的な反発なら狙えるのではないか。
そう考えて行ったトレードです。
日足|まず大きな相場の流れを確認

日足では明確な方向感なしと判断
トレードを考えるとき、最初に確認したのが日足です。
当時の日足を全体的に見て、私は「明確な方向感はない」と判断しました。
直近だけを見ると、少し上方向へ向かっているようにも見えます(画像赤丸部分)。
一方で、もう少し広い範囲を見ると、
「これを上昇トレンドと言い切っていいのだろうか?」
とも感じます。
FXのチャートは、見る範囲を変えるだけで印象が変わることがあります。
狭い範囲なら上昇。
少し広くするとレンジ。
さらに広くすると下降。
こうなると、無理に答えを出そうとするほど分からなくなります。
そこで当時は、
「日足は方向感なし」
として、ここではまだ買いか売りかを決めませんでした。
「上昇」「下降」と無理に決めなかった理由
相場分析をしていると、
「上昇か下降か、どちらかを決めないといけない」
と思ってしまうことがあります。
でも、私は無理に決めなくてもいいと思っています。
分からないときは、
「今のところ分からない」
でも構いません。
今回の日足も、強い買い目線を持つほど明確な上昇ではなく、かといって売りだけを考えるほど明確な下降でもありませんでした。
ここで無理に方向を決めず、次に4時間足を見て、もう少し細かく相場を確認することにしました。
相場が上昇・下降・レンジのどれなのか迷ってしまう方は、こちらの記事で相場の方向感を判断する基本を詳しく解説しています。

4時間足|下降ペナントを警戒しながら短期の買いを考えた

4時間足では下降ペナントの可能性を考えた
次に4時間足を確認しました。
当時の私は、この形を下降ペナントの可能性がある持ち合いとして見ていました。
ここは「完全な下降ペナントだった」と断定するのではなく、
下方向へのブレイクも警戒していた
という意味で考えてください。
4時間足だけを見れば、短期的には上昇しています。
しかし、その前の値動きまで含めると、
「このまま上昇が続くのではなく、最終的には下へ抜ける可能性もあるのでは?」
と考えていました。
つまり、この時点でも強気一辺倒ではありません。
それでもペナント内部では上昇余地があると判断
ここで疑問が出てきます。
「下落を警戒しているのに、どうして買ったの?」
ということです。
今回のトレードでは、ここが一番大切なところだと思っています。
4時間足で下方向へのブレイクを警戒していたとしても、まだ実際に下へ抜けたわけではありません。
持ち合いの内部に価格があるのであれば、
下側のライン付近から上側へ向かう短期的な反発
が起こる可能性もあります。
そこで私は、
中期的には下方向も警戒する。
しかし、持ち合いの中にいる間なら短期的な上昇を狙えるかもしれない。
という二つのシナリオを分けて考えました。
「下降を警戒しているから絶対に売り」という考えではありません。
ペナントを含む三角持ち合いの見方や、ブレイク後の考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

長期保有ではなく短期トレードにした理由
日足では方向感なし。
4時間足では、下方向へのブレイクも警戒している。
この環境で、
「ここから大きく上昇するだろう」
と考えて買いポジションを長く持つのは、少し違うと考えました。
今回狙ったのは、
大きな上昇トレンドではなく、持ち合い内部での短期的な反発です。
この違いは重要です。
同じ買いエントリーでも、
「ここから数百pips上がると思って買う」
のと、
「次の抵抗帯までの短い上昇だけを狙う」
のでは、利確の考え方も変わります。
今回、前回高値付近で早めに利益を確定したのも、この環境認識があったからです。
1時間足|トレンドライン付近から買いエントリー

下側のトレンドラインまで価格が下落
実際のエントリーは1時間足で考えました。
チャートを見ると、価格が下側のトレンドライン付近まで下落しています。
ここだけを見ると、
「トレンドラインまで来たから買えばいい」
と思うかもしれません。
しかし、それだけを根拠にしたわけではありません。
日足では明確な下降相場ではない。
4時間足では下方向を警戒しているものの、まだ持ち合い内部。
そして1時間足では、下側のライン付近まで価格が下がってきた。
こうして時間足を順番に見た結果、
「ここからなら短期的な反発を狙える可能性がある」
と考えました。
一度ラインを下抜けて戻った動きをどう見たか
チャートを見ると、価格はいったんトレンドラインの下へ出ています。
以前の記事では、この動きをかなり強く「ダマシ」と考えていました。
ただ、今振り返ると、
ラインを一度抜けて戻った=ダマシ
と断定するのは少し早いと思います。
そもそもトレンドラインは、人によって引く位置が変わることがあります。
私のトレンドライン記事でも、節目の捉え方によって複数のラインを引けるケースがあり、引き方に主観が入りやすい点を紹介しています。
そのため、今回の場面も、
一度ラインを下抜けしたものの、そのまま大きく下落せず、再びライン付近へ戻ってきた
と見る方が自然です。
「ダマシだから買う」のではなく、下抜け後の値動きを見て短期反発の可能性を考えたという整理に変更します。
なぜこの位置で買いを考えたのか
今回、青丸付近で買いを考えました。
理由を整理すると、
日足では強い下降相場とは判断していない。
4時間足では下方向を警戒しているものの、まだ持ち合い内部。
1時間足では、下側のトレンドライン付近まで下落したものの、そのまま下方向へ走っていない。
こうした背景から、
「長く持つ買いではないが、短期的な反発なら狙えるのではないか」
と判断しました。
ただし、ここで一つ補足があります。
当時の記録には、
「○○というローソク足が確定したら買う」
といった細かなエントリー条件までは残していません。
今になって、
「陽線が確定したから入りました」
「このローソク足パターンを確認しました」
などと条件を付け加えることもできますが、それでは当時の記録ではなくなってしまいます。
分からない部分は、分からないままにしておきます。
今回確認できるのは、上位足の環境とトレンドライン付近の値動きを見て、青丸付近で買ったということです。
トレンドラインの基本的な引き方や、反発・ブレイクを使ったエントリー方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

損切りはどこで考えるべきだったか
ここは、今回リライトするうえで特に反省した部分です。
元の記事にはエントリー位置と利確については残していましたが、当時どこに損切りを置く予定だったのかという記録がありません。
そこで、具体的な損切り価格を今から作ることはしません。
現在このチャートを振り返るのであれば、
トレンドラインや直近安値などを参考にしながら、「今回の買いを考えた根拠そのものが崩れた位置」を撤退候補にする
という考え方になります。
大切なのは、
「ラインから何pips下だから損切り」
と機械的に決めることではありません。
今回なら、
「短期反発を狙える」
と考えた前提が崩れたかどうかです。
結果的には利益になりましたが、今振り返ると、
エントリーだけではなく、想定と違ったときの撤退条件まで記録しておくべきだった
と思います。
利確|前回高値付近で約+25pips
買いエントリー後、価格は上昇しました。
最終的には前回高値付近で利益を確定し、結果は約+25pipsです。
ただし、
「25pips取る」
と最初から数字で決めていたわけではありません。
チャート上には、利益確定の候補になりそうな価格帯が複数ありました。
利確候補として考えていた3つの価格帯
ここでは、先ほど掲載した1時間足のチャートを見ながら読んでください。
画像はもう一度掲載しなくて構いません。
一つ目は前回高値です。
今回のエントリー位置から見ると、最も手前にある分かりやすい抵抗帯でした。
二つ目は、チャートに引いていたウォルフ波動から考えた価格帯です。
三つ目は、さらに上にある上側のチャネルラインです。
つまり、上まで伸ばそうと思えば別の候補もありました。
ただ、今回の相場環境を考えると、
「一番上まで必ず伸びる」
と期待するのは少し欲張りだと考えました。
ウォルフ波動自体の説明をここで長くすると今回の記事のテーマから外れるので、詳細は別記事へつなげます。
チャートに引いているウォルフ波動の考え方や、利確目標の見方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

今回はなぜ前回高値で利確したのか
今回のトレードを最初から振り返ると、理由は比較的シンプルです。
日足では明確な上昇トレンドではありません。
4時間足では、むしろ下方向へのブレイクも警戒しています。
今回の買いは、
「上昇トレンドに乗って、できるだけ利益を伸ばす」
ためのものではなく、
「持ち合い内部で起こる短期反発を取る」
ためのものでした。
それなら、最初に現れる分かりやすい抵抗帯である前回高値で利益を確定するという判断には、一応筋が通ります。
結果だけを見れば、
「もっと上まで持てばよかった」
と思うこともあります。
ただ、それは後からチャートを見たから言えることです。
エントリーした時点で考えていたシナリオに沿って利確する方が、大切だと思っています。
+25pipsでも「判断がすべて正しかった」とは限らない
結果として約+25pipsになりました。
これはもちろん悪い結果ではありません。
ただ、
利益が出た=分析がすべて正しかった
とは限りません。
例えば、当時はラインを下抜けて戻った動きを「ダマシ」と強く捉えていました。
その後実際に上昇したため、
「やっぱりダマシだった」
と言いたくなります。
しかし、それでは結果を知ったあとから理由を合わせている可能性があります。
本当に大切なのは、
まだ結果を知らない段階で、そのトレードを説明できるかどうか
です。
今回の+25pipsも「勝ったから正解」で終わらせず、今の視点から改善点まで振り返ることに意味があると考えています。
今振り返って分かったこと
上位足と下位足で方向が違うときは、狙う値幅を限定する
今回、
4時間足では下方向を警戒。
1時間足では買い。
という、一見すると反対の判断をしています。
時間足が変われば、見ている値動きの大きさも変わります。
大きな流れでは下方向を警戒していても、その途中で短期的に上昇することはあります。
ただし、
「上位足と違う方向でも問題なくトレードできる」
という意味ではありません。
今回のように上位足の方向へ逆らう可能性があるなら、どこまでも利益を伸ばそうとせず、
最初から狙う値幅を限定する
という考え方が必要になります。
今回、前回高値で利益を確定したのもそのためです。
トレンドラインは触れただけでエントリーしない
今回のチャートだけを見ると、
「トレンドライン付近で買えば25pips取れた」
ように見えるかもしれません。
でも、実際にはトレンドラインをそのまま下抜けることもあります。
トレンドラインに到達したこと自体は、
「買いの合図」ではありません。
私は、
「ここから値動きを詳しく見る場所へ来た」
くらいに考える方がいいと思っています。
上位足の状況や、その後のローソク足の動きも合わせて判断します。
ラインを少し抜けただけで「ダマシ」と決めつけない
今回の記事で、昔の自分の考え方から特に修正したところです。
一度ラインを下抜けた。
↓
すぐ戻った。
↓
「ダマシだ」
と決める。
これは少し単純すぎます。
トレンドラインには引き方の違いもありますし、価格が多少ラインを越えることもあります。
私のトレンドライン解説記事でも、見る人によってラインの引き方が変わり得る点を取り上げています。
だからこそ、
「ラインを抜けたかどうか」だけではなく、その後に価格がどう動いたのか
まで確認したいところです。
トレンドライン反発を狙うときに確認したいポイント
上位足の環境認識を先に行う
今回の流れは、
日足 → 4時間足 → 1時間足
でした。
最初から1時間足だけを見ていたら、
「トレンドラインから上がりそうだから買おう」
だけで終わっていたかもしれません。
先に日足・4時間足を見たことで、
「買うとしても長期保有する場面ではない」
という判断ができました。
これが今回の環境認識の大きな意味です。
ライン付近で実際の値動きを確認する
トレンドラインまで来たから反発。
一度抜けたからブレイク。
戻ってきたからダマシ。
このように、ラインだけを見て答えを決めない方がいいでしょう。
ライン付近へ来たあと、
価格が実際にどちらへ動こうとしているのか
を確認します。
今回も、一度下へ出たあとにそのまま大きく下落しなかったことを見ながら、短期反発を考えています。
利確候補と損切り候補を先に決める
今回の昔の記事を見返して、一番足りなかったと感じるのがここです。
利確候補はいくつか考えていました。
しかし、損切りについての記録がありません。
今なら、
「上がったらどこで利確するか」
と同時に、
「下がったらどこで自分のシナリオを取り消すか」
もエントリー前に考えます。
勝ったトレードほど、損切りの反省点を忘れやすいので注意したいところです。
1回の成功例をそのまま必勝パターンにしない
今回のEUR/JPYでは利益になりました。
しかし、これだけで、
「トレンドラインを少し抜けて戻ったら買えばいい」
という手法にはできません。
同じような場面を過去チャートから複数探して、
成功した例。
失敗した例。
反発せずそのまま下へ抜けた例。
こうしたケースを比べる必要があります。
一番勉強になるのは、うまくいったチャートだけではなく、同じ考え方で失敗したチャートです。
トレンドライン反発を過去チャートで検証するなら
今回のトレードは、あくまで一つの実例です。
「本当に同じような場面で反発することが多いのか?」
を知りたいなら、過去チャートで複数のケースを確認する必要があります。
たとえば、上位足の相場環境、ライン到達後の値動き、反発した場合にどこまで上昇したか、反発せず失敗したケースでは何が違ったか、といった点を同じ条件で記録していきます。
こうして成功例と失敗例を比べて初めて、自分が使える考え方なのかが見えてきます。
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※FXは元本が保証された金融商品ではなく、相場変動等によって損失が生じる可能性があります。
過去チャートを何となく眺めるのではなく、条件を決めて検証・記録する方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

よくある質問
トレンドラインに触れたらすぐ買っていい?
トレンドラインに触れたことだけを理由に買う必要はありません。
そのまま下抜けすることもあります。
トレンドラインは、
「必ず反発する場所」
ではなく、
「ここから値動きを詳しく確認する候補地点」
として見る方が分かりやすいでしょう。
一度トレンドラインを下抜けても買える?
その後の値動きによります。
一度下抜けしただけで、
「ブレイクだから売り」
とも、
「ダマシだから買い」
とも決めつけない方がいいでしょう。
今回のEUR/JPYでは、そのまま下落せずに戻った動きを確認したうえで短期的な反発を考えました。
ただし、毎回同じ動きになるわけではありません。
どの時間足のトレンドラインを見ればいい?
今回の場合は、
日足で大きな環境を確認し、4時間足で相場の形を見て、1時間足でエントリーを考える
という順番でした。
「必ずこの時間足を使う」という意味ではありません。
重要なのは、環境認識をする時間足と、実際にエントリーする時間足を分けて考えることです。
上位足と下位足の方向が違ってもエントリーできる?
可能な場面はありますが、注意が必要です。
今回も4時間足では下方向を警戒しながら、1時間足では短期的な買いを行っています。
その場合、
「上位足の流れに逆らって長く保有する」のではなく、「短期的な値幅だけを狙う」
というように、どの程度の値動きを狙っているのかを明確にしておくことが大切です。
まとめ|上位足を確認して短期的な反発だけを狙ったトレード
今回のEUR/JPYを整理すると、
日足では方向感を決めない
↓
4時間足では下方向へのブレイクも警戒
↓
1時間足では下側トレンドライン付近から短期反発を狙って買い
↓
前回高値付近で利確
↓
結果は約+25pips
というトレードでした。
ただし、今回一番伝えたいのは「25pips取れたこと」ではありません。
日足と4時間足を先に確認していたからこそ、
「買うとしても長く持つ場面ではない」
と考えられたことです。
そして昔の記録を今振り返ってみると、改善したいところも見つかりました。
トレンドラインを少し抜けただけで「ダマシ」と決めつけない。
エントリー条件をもっと具体的に記録しておく。
利確だけではなく、損切りのシナリオも残しておく。
そして、一度利益になったからといって、
「この方法なら勝てる」
と考えないことです。
昔のトレードを見返すと、勝った・負けたという結果だけでは見えなかったことがあります。
「なぜここで入ったのか」
「なぜここで利確したのか」
「もし逆へ動いたら、どこで諦めるつもりだったのか」
こうしたところまで振り返ることで、一つのトレード記録が次のトレードに生かせる材料になるのだと思います。



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