
「カップウィズハンドル」というチャートパターンを聞いたことはありますか?
名前の通り、チャートがコーヒーカップと取っ手のような形になることから、この名前が付いています。
「カップアンドハンドル」と呼ばれることもありますが、基本的には同じチャートパターンです。
FXでは、ダブルトップや三角持ち合いなどに比べると、それほど頻繁に見かける形ではありません。
そのため、
「チャートで見つけたけど、本当にカップウィズハンドルなのか分からない」
「どこでエントリーすればいいの?」
「前回高値まで来たところでは、買うのか売るのか?」
と迷う方もいると思います。
私もFXのチャートを見る中で、このパターンは「形を見つけること」よりも、その後の値動きをどう考えるかが大切だと感じています。
カップの形ができたからといって、すぐにエントリーすればいいわけではありません。
ハンドルが形成されるまで待つのか。
前回高値を抜けるのを待つのか。
ブレイク後の押し目を狙うのか。
あるいは、前回高値付近で一時的に反応する値動きを利用するのか。
この記事では、まず一般的なカップウィズハンドルの形と使い方を整理したうえで、FXでチャートを見るときに私が注目しているポイントまで紹介します。
カップウィズハンドルとは?まず基本の形を理解しよう
カップウィズハンドルは、一般的に上昇トレンドの途中で形成される継続パターンです。
大きく見ると、
上昇 → 調整 → カップ形成 → ハンドル形成 → 上方ブレイク
という流れになります。
「カップ」という名前の通り、中央部分が丸みを帯びたU字型になり、その右側に小さな調整が加わることで取っ手のような形になります。
チャートパターンとしては、カップの両端付近が同じような水準になり、その後に形成されたハンドル上部の抵抗を上抜けることが重要です。

カップ部分を形成したあと、右側の高値付近で小さな調整が入り、その部分がハンドルになります。
「カップ」と「ハンドル」はどこなのか?
カップウィズハンドルを理解するには、まず「カップ」と「ハンドル」を分けて考えると分かりやすいです。
カップの部分
上昇していた価格がいったん下落し、底を作ります。
その後、少しずつ上昇して、以前の高値付近まで戻ってきます。
この「下落→底→上昇」という部分がカップです。
ここでは、急激なV字型よりも、緩やかなU字型に近い形が一般的です。
ハンドルの部分
カップの右側まで価格が戻ってくると、そこから少し下落したり、横ばいになったりすることがあります。
この小さな調整がハンドルです。
そして、そのハンドル上部にある抵抗帯を上抜けすると、カップウィズハンドルのブレイクを考えます。
カップウィズハンドルは上昇継続パターン
カップウィズハンドルは、基本的にトレンド転換パターンではありません。
すでに上昇している相場がいったん調整し、その後に再び上昇していく継続パターンとして扱われます。
つまり、
「カップができたから、ここから上昇トレンドが始まる」
という理解ではなく、
「上昇していた相場が一度休み、再び上昇する可能性を見る形」
と考える方が自然です。
カップアンドハンドルとカップウィズハンドルの違いは?
呼び方が違うだけで、基本的には同じチャートパターンです。
英語では「Cup with Handle」と呼ばれ、日本語では「カップウィズハンドル」「カップアンドハンドル」の両方が使われています。多数のFX関連の記事でも両方の表記が見られます。
そのため、この記事では検索者がよく使う「カップウィズハンドル」を基本表記にしますが、「カップアンドハンドル」も同じ意味として扱います。
カップウィズハンドルの見分け方|4つのポイント
チャート上でカップウィズハンドルを見つけるとき、私は次の4つを確認すると分かりやすいと思います。
形成前に上昇トレンドがある
まず確認したいのが、カップが形成される前の相場です。
カップウィズハンドルは上昇継続パターンなので、形成前にある程度の上昇があることが基本です。
最初から横ばいになっているチャートを見つけて、
「これはカップウィズハンドルだ」
と無理に当てはめる必要はありません。
「もともと上昇していたところで調整が入った」
という流れを見ることが大切です。
カップは緩やかなU字に近い
カップの底は、急なV字よりも緩やかなU字に近い形が一般的です。
もちろん、実際のFXチャートが教科書のようにきれいな形になるとは限りません。
そのため、
「完璧なU字でなければダメ」
と考える必要はありません。
全体として丸みを持った調整になっているかを見るくらいでよいでしょう。
右側にハンドルが形成される
カップの右側まで価格が戻ってきたあと、小さな調整が入ります。
これがハンドルです。
ハンドルの下落が大きくなりすぎると、カップウィズハンドルとして判断しにくくなります。
ハンドル上部の抵抗帯を上抜ける
最後に見るのがブレイクです。
カップ右側の高値付近にある抵抗帯を、ハンドル形成後に上抜ける。
ここまで確認して、はじめて「カップウィズハンドルが完成した」と考えやすくなります。
カップウィズハンドルの基本的なエントリー方法
一般的なカップウィズハンドルの基本戦略は、ハンドル形成後の上方ブレイクで買いを検討することです。
ブレイク前に焦って買わない
カップができてきて、
「もうすぐ上がりそう」
と思って先回りしたくなることがあります。
しかし、カップウィズハンドルらしい形ができても、そのまま下落する可能性はあります。
そのため、
「カップっぽい」だけでは入らない
という考え方が大切です。
ハンドル上部の抵抗帯を上抜ける
ハンドル形成後、カップ右側の高値付近にある抵抗帯を上抜けしたら、買いを検討します。
ただし、ここでも「抜けた瞬間に必ず買う」と考える必要はありません。
大きな陽線が出たあとに、いったん戻ることもあるからです。
ブレイク後の押し目を見る
私が特に注目したいのが、ブレイク後です。
一度高値を上抜けしたあと、その価格帯まで少し戻る。
その後、再び上昇する。
こうした押し目を待ってエントリーを考える方法があります。

「ブレイク直後に飛び乗るのではなく、押し目を待つという選択肢もあります」
ブレイクした価格帯が、その後サポートとして機能する「サポレジ転換」について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

損切り位置はあらかじめ決めておく
カップウィズハンドルでも、「ここまで下がったら自分のシナリオが崩れる」という位置を先に決めておくことが大切です。
例えば、ハンドル内の安値や、エントリーの根拠にした価格帯を基準に損切りを考える方法があります。
具体的な値幅を一律に決めるのではなく、
「この価格まで戻ったら、カップウィズハンドルとしての前提が崩れた」
と判断できる場所を考える方が分かりやすいでしょう。
FXでカップウィズハンドルを見るときの注意点
実際のチャートでは、教科書通りの形がきれいに出てくるとは限りません。
だからこそ、私は「形が似ているか」だけで判断しないようにしています。
V字型になっていないか
カップの底が急激なV字型になっている場合は、一般的なカップウィズハンドルの形とは少し違います。
もちろん、その形が上昇につながることはあります。
ただ、
「V字になったからカップウィズハンドル」
と考えるのではなく、パターン全体を確認します。
ハンドルが深くなりすぎていないか
ハンドルは、カップ全体に比べると比較的小さな調整になるのが基本です。
ハンドル部分から大きく下落してしまった場合、
「本当にこれはハンドルなのかな?」
と考え直した方がいいでしょう。
上位足のトレンドを確認する
例えば5分足ではカップウィズハンドルに見えても、1時間足や4時間足では大きな下降トレンドの途中かもしれません。
短期足だけを見て判断すると、相場全体の位置関係を見落とすことがあります。
カップウィズハンドルを見る前に、上位足で相場の方向感を確認したい方はこちらの記事も参考にしてください。

私がFXでカップウィズハンドルを見るときに注目していること
カップウィズハンドルをチャートで探すとき、私が特に注目しているのがカップ右側の高値です。
カップが形成されたあと、価格は徐々に上昇して右側の高値付近まで戻ってきます。
この高値は、カップができる前に一度意識された価格でもあります。
そのため、ここまで価格が戻ってくると、
「今回はこのまま高値を抜けるのか?」
「また一度止められるのか?」
というところを確認したくなります。
カップウィズハンドルの基本は、その後にハンドルを形成して高値付近の抵抗帯を上抜けることです。
ただ、実際のFXチャートでは、教科書のようにすぐブレイクするとは限りません。
そこで私の場合は、前回高値に価格が近づいたときのローソク足や、その後の値動きを見るようにしています。
カップ右側の高値は意識されやすい
カップ右側の高値は、チャートを見るうえで重要な価格帯の一つです。
一度そこで上昇が止まっているので、再び価格が戻ってくると、
「ここを抜けられるかどうか」
という場面になります。
例えば、前回高値の少し手前まで上昇してきたあと、何度も上値を試すような動きが出ているなら、その高値が意識されている可能性があります。
逆に、ほとんど止まることなく勢いよく上昇しているなら、今度はそのまま突破する展開も考えられます。
つまり、前回高値という場所そのものだけではなく、そこへ到達するまでの値動きも一緒に見ることが大切です。
高値付近で一度反応することがある
私がこの価格帯を気にしている理由の一つが、前回高値付近で一度価格が反応するケースがあるからです。
例えば、
前回高値へ接近
↓
高値付近で上値が重くなる
↓
一度下落する
↓
その後、再び上昇する
という動きです。
こうした値動きがあると、
「やはりこの価格帯は意識されていたのかな」
と考えます。
ただし、チャートだけを見て、
「利益確定の売りが出た」
「この価格で売り注文が集中していた」
と断定することはできません。
あくまで、
前回高値付近で一度値動きが鈍ったり、反落したりすることがある
という現象として見ています。
この反応が出た場合、短期的な反落を狙うという考え方もできます。
ただ、これは次の「応用的な逆張り」の章で詳しく説明します。
ただし高値で必ず反転するわけではない
ここはかなり重要です。
前回高値が意識されているからといって、
「そこまで上がったら必ず下がる」
わけではありません。
そのまま高値を突破して、上昇が続くこともあります。
また、一度下落したとしても、それが大きな反転につながるとは限りません。
少し押しただけで、再び上昇することもあります。
【応用】前回高値付近の反落を狙う逆張りという考え方
非常に重要なので先に書いておきます。
これは一般的なカップウィズハンドルの標準的なエントリー方法ではありません。
一般的には、ハンドル形成後に上方へブレイクしたところで買いを考えるパターンです。
ここで紹介するのは、私がFXのチャートを見る中で注目している、前回高値付近の一時的な反落を利用する応用的な逆張りの考え方です。
前回高値に到達しただけでは売らない
例えば、価格が前回高値まで上昇してきた。
ここで、
「前回高値だから売ろう」
と考えるのは危険です。
前回高値をそのまま突破してしまうこともあるからです。
現在の記事でも、「前回高値に到達してすぐ売るのではなく、一度止まる動きを確認してからエントリーを検討する」という考え方を紹介しています。
私なら、
前回高値へ到達
→ 反応するか確認
→ 反落したことを確認
→ そこで初めて逆張りを検討
という順番で考えます。

前回高値に触れた瞬間に売るのではなく、一度反応したことを確認してから逆張りを検討する
逆張りなので難易度は高い
この方法の弱点は、相場の流れに逆らうことです。
カップウィズハンドル自体が上昇継続を示すパターンなのに、その途中で売るわけですから、当然リスクがあります。
したがって、これは基本戦略というより、
「こういう見方もできる」
という応用として紹介します。
この逆張りはカップウィズハンドルの基本手法ではない
ここは読者に誤解してほしくない部分です。
一般的なカップウィズハンドル
ハンドル形成
↓
抵抗帯を上抜け
↓
買いを検討
今回紹介した応用的な見方
前回高値へ到達
↓
反応を確認
↓
一時的な反落を狙う
つまり、同じチャートを見ていても、狙っている値動きが違います。
基本を知ったうえで応用を使う。
この順番をおすすめします。
【実践例】カップウィズハンドルと前回高値の動きを見る
ここでは、現在の記事にある実例を見ながら考えてみます。
前回高値付近で一度下落したケース

過去に意識された価格帯では、値動きが一度止まったり、反応したりすることがある
前回高値をヒゲで少し超えてから下落するケース

次のチャートでは、少し違った動きをしています。
前回高値をきれいに止めるのではなく、
一度ヒゲで上へ飛び出してから下落しています。
この実例から分かるのは、
「前回高値だから、そこでピタリと反転するわけではない」
ということです。
さらに、一度反落したからといって、
「ここから大きく下がる」
とも限りません。
このケースのように、少し下げたあと、再び上昇することもあります。
だからこそ、前回高値で逆張りする場合も、
「高値に来たから売る」
のではなく、
「高値で反応したことを確認してから、短期的な反落を検討する」
という考え方になります。
カップウィズハンドルでダマシを警戒するポイント
カップウィズハンドルも、チャートパターンである以上、必ず機能するわけではありません。
私なら、次のような場面では慎重に見ます。
完成前に「カップウィズハンドル」と決めつけない
カップらしい形ができた。
でも、まだハンドルが形成されていない。
この段階で、
「カップウィズハンドルが完成した」
と判断するのは早いでしょう。
パターンの一部だけを見て、先回りしないことが大切です。
ブレイクしたのにすぐ戻ってしまう
ハンドル上部の抵抗帯を上抜けした。
ところが、そのあと価格がすぐに元へ戻ってしまう。
この場合は、ブレイクが継続しなかった可能性があります。
「カップウィズハンドルだから上がるはず」と考えるのではなく、チャートの状況をもう一度見直します。
上位足と方向が合っていない
短期足だけを見ると上昇パターン。
でも、上位足では下降トレンド。
こうした場合は、パターンだけを理由に買うのではなく、相場全体を見る必要があります。
ブレイク先に別の抵抗がある
ハンドル上部を抜けた。
でも、そのすぐ上に過去の高値がある。
この場合、ブレイクしたからといって、すぐに大きく上昇するとは限りません。
「抜けたあと、どこまで動けるのか」
まで考えておきたいところです。
カップウィズハンドルでやってはいけない3つ
① 完成前に買う
カップに見えるからといって、すぐに買わない。
ハンドルまで確認し、その後のブレイクを待つ。
このくらい慎重に考えてもいいと思います。
② 前回高値だけを理由に逆張りする
今回紹介した逆張りは、あくまで応用です。
前回高値に到達しただけで売るのではありません。
反応が出たことを確認し、そのうえで短期的な反落を狙う考え方です。
それでも、そのまま上抜ける可能性はあります。
③ シナリオが崩れてもこだわり続ける
「カップウィズハンドルだから上がる」
「前回高値だから下がる」
と決めたあと、価格が予想と違う方向へ動いても、その考えに固執しないことです。
相場は、自分が描いたシナリオ通りには動いてくれません。
だからこそ、
「違ったら見送る」
という選択肢を最初から持っておくことが大切です。
FXTFでカップウィズハンドルを検証するなら
カップウィズハンドルのようなチャートパターンは、一度説明を読んだだけでは、なかなか実感が湧きません。
私なら過去チャートを見ながら、
「ここはカップに見える」
「ここがハンドルかな」
「このあと高値を抜けた」
と実際に探してみます。
こうしていると、教科書の形と実際のチャートの違いも分かってきます。
FXTFでは現在も「FXTF MT4」が提供されており、PCインストールタイプ、PCブラウザタイプ、スマートフォンで利用できます。個人向けでは30通貨ペアが案内されています。
カップウィズハンドルを検証するときも、
- カップの形成
- ハンドルの形成
- 抵抗帯のブレイク
- ブレイク後の押し目
と順番にチャートを見ていくと、パターンを理解しやすくなります。
ただし、FXには相場変動による損失リスクがあります。口座を開設したことやチャートを使ったことによって利益が保証されるものではありません。
カップウィズハンドルを過去チャートで検証してみたい方は、FXTFのMT4もチェックしてみてください。
カップやハンドルの形成、ブレイク後の値動きを時間足ごとに確認するときに利用できます。
カップウィズハンドルを見つけるだけでなく、過去チャートを使って手法を検証する方法まで知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

カップウィズハンドルのよくある質問
カップアンドハンドルとカップウィズハンドルの違いは?
基本的には同じチャートパターンです。
呼び方が違うだけで、この記事では同じものとして扱っています。
カップウィズハンドルは買いのパターンですか?
一般的には、上昇トレンドの途中で形成される上昇継続パターンです。
基本的には、ハンドル形成後に抵抗帯を上抜ける場面で買いを検討します。
カップの底は必ずきれいなU字でなければいけませんか?
必ず教科書通りになるわけではありません。
ただし、一般的なカップウィズハンドルでは、急激なV字よりも緩やかなU字が基本です。
「完璧な形」にこだわるより、形成前のトレンドやハンドル、ブレイクまで含めて判断した方がよいでしょう。
前回高値に来たら売ってもいいですか?
一般的なカップウィズハンドルの基本戦略ではありません。
一般的には、前回高値・抵抗帯を上抜けする方向の買いを考えます。
この記事で紹介した前回高値付近の反落狙いは、あくまで応用的な逆張りの考え方です。
カップウィズハンドルのダマシを完全に避けられますか?
完全に避けることはできません。
どれだけきれいな形でも、ブレイク後に反転することがあります。
だからこそ、パターンだけを信じるのではなく、上位足や価格帯、ブレイク後の値動きまで確認することが大切です。
まとめ|カップウィズハンドルは「形」だけで判断しない
カップウィズハンドルは、一般的には、
上昇トレンド
↓
カップ形成
↓
ハンドル形成
↓
抵抗帯を上抜け
という流れで見る上昇継続パターンです。
まずは、この基本形を正しく覚えておきましょう。
特に、
「カップができたから買う」
のではなく、
「ハンドル形成後に、どこを上抜けたのか」
を見ることが重要です。
そして、ブレイク直後に急いで入るのではなく、押し目を待つという選択肢もあります。
一方、FXのチャートを見ていると、カップ右側の前回高値付近で一度反応するケースもあります。
私は、この反応を利用した逆張りを考えることがあります。
ただし、これはあくまで応用です。
基本はブレイク後の順張り。
前回高値での反落狙いは、応用的な逆張り。
この2つを混同しないことが大切です。
そして、どちらの方法でも、
「ここなら絶対に上がる」
「ここなら必ず下がる」
という場所はありません。
チャートパターンを見つけたら、それを信じ切るのではなく、
「今の相場なら、このパターンはどう動く可能性があるのか?」
と考えてみてください。
過去チャートを使って何度も確認していくと、少しずつ形だけではなく、その後の値動きまで見えるようになってくると思います。



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