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『FX戦士くるみちゃん7巻』感想【ネタバレあり】スイスフランショックで崩れた「安全」の前提

『FX戦士くるみちゃん7巻』感想【ネタバレあり】スイスフランショックで崩れた「安全」の前提

『FX戦士くるみちゃん』7巻では、シリーズの流れを大きく変える出来事が起こります。

スイスフランショックです。

6巻で、くるみが注目したユーロ/スイスフラン。

いわゆる「ユロスイ」には、当時のスイス国立銀行による政策的な支えがありました。

そのため、

「これなら大きく下がりにくいのでは?」

と思えるだけの理由があります。

危険そうなものへ無謀に飛び込んだわけではありません。

むしろ逆です。

大丈夫だと思える材料がそろっていたからこそ、くるみは安心していました。

ところが7巻では、その前提そのものが突然変わります。

この記事では、『FX戦士くるみちゃん』7巻のあらすじと感想を、実際に起きたスイスフランショックの背景も交えながら紹介します。

※ここから先は7巻の内容に触れています。


『FX戦士くるみちゃん7巻』の基本情報

『FX戦士くるみちゃん』7巻は、2024年9月21日にKADOKAWAから発売されました。

  • 原作:でむにゃん
  • 作画:炭酸だいすき
  • 発売日:2024年9月21日
  • 出版社:KADOKAWA
  • レーベル:MFコミックス フラッパーシリーズ
  • ページ数:156ページ
  • 定価:924円(税込)

KADOKAWA公式では、

「安心・安定のユロスイが、変動するわけないんだから!?」

という言葉で7巻が紹介されています。

この言葉が、7巻の内容をかなり分かりやすく表しています。

「危ないのに取引してしまった」という話ではありません。

安全だと思っていたものが、安全ではなくなる。

そこが7巻の大きなポイントです。

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『FX戦士くるみちゃん7巻』のあらすじ【ネタバレあり】

FX投資バトルにも一区切りがつき、登場人物たちの投資との距離も変わってきました。

それでも、くるみは相場に残っています。

そんなくるみが取引しているのが、ユーロ/スイスフランです。

当時は、スイス国立銀行が1ユーロ=1.20スイスフランという最低為替レートを設定していました。

簡単にいえば、

ユーロ/スイスフランが1.20より大きく下へ行かないよう、中央銀行が政策で支えていた

ということです。

しかも、その状態は長く続いていました。

くるみが、

「ここなら比較的安定している」

と考えるのも無理はありません。

ところが2015年1月15日。

スイス国立銀行は、1.20の最低為替レートを終了すると突然発表します。

それまで相場を支えていた大きな条件がなくなりました。

スイスフランは急激に買われ、ユーロ/スイスフランは大きく下落します。

当然、くるみのポジションにも大きな影響が出ます。

7巻は、

長く続いていた「大丈夫」という前提が、一日で崩れる巻

です。


スイスフランショックとは?7巻を理解するために簡単に解説

スイスフランショックは、漫画の中だけの出来事ではありません。

2015年1月15日に実際に起きた急激な為替変動です。

なぜ1ユーロ=1.20スイスフランが重要だったのか

スイス国立銀行は2011年9月、1ユーロ=1.20スイスフランという最低為替レートを導入しました。

当時、スイスフランが急激に買われていたためです。

さらにSNBは、この水準を維持するため、必要なら外貨を無制限に購入する姿勢を示していました。

その政策が3年以上続きます。

すると市場では、

「1.20は簡単には割れない」

という安心感が強くなります。

6巻でくるみがユロスイへ注目した背景にも、この政策があります。

なぜユロスイを安定していると考えたのかは『FX戦士くるみちゃん6巻』の感想で詳しく紹介しています

『FX戦士くるみちゃん6巻』感想【ネタバレあり】投資バトル決着と「ユロスイは安全」の危うさ
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2015年1月15日に、その政策が終了した

2015年1月15日、スイス国立銀行は1.20の最低為替レートを終了しました。

ここで大切なのは、

為替の「上限」を撤廃したのではない

ということです。

それまでユーロ/スイスフランが1.20より下へ行かないよう支えていた政策をやめました。

これをきっかけにスイスフランが急騰。

反対に、ユーロ/スイスフランは急落します。

それまでの値動きとは比べものにならないほど、大きな変化が短時間で起きました。

これが一般に「スイスフランショック」と呼ばれている出来事です。


『FX戦士くるみちゃん7巻』の感想|根拠があったからこそ怖い

くるみは根拠なく勝負していたわけではない

7巻でまず注目したいのは、くるみの判断です。

1.20には中央銀行の政策がある。

長期間、その水準も維持されている。

その事実を見れば、

「急に大きく下がることはないだろう」

と考えたくなります。

だから7巻は、単純な、

「危険な取引をしたから大損した」

という話ではありません。

むしろ、

合理的に見えた判断の前提が途中で変わった

というところが重要です。

相場では、予想を間違えるだけがリスクではありません。

予想を作るために使っていた条件そのものが変わることもあります。


「今まで守られてきた」が安心感を強くする

1.20という水準は、昨日だけ守られていたわけではありません。

長期間維持されていました。

昨日も大丈夫だった。

先週も大丈夫だった。

昨年も大丈夫だった。

そうなると、

「明日も同じだろう」

と考えやすくなります。

ここは人間としてかなり自然な感覚です。

ただ、

長く続いていることと、これからも続くことは同じではありません。

7巻では、その違いが非常に大きな形で表れます。


中央銀行への信頼が、逆に警戒心を小さくする

中央銀行が政策として示しているものは、個人の予想よりはるかに重く見えます。

だから、

「ここは守られる」

と思いやすい。

そして、その安心感が強いほど、

「もし守られなかったらどうするか」

という想定は小さくなります。

最初から値動きの激しい通貨なら警戒します。

危険そうなら、取引量を減らそうとも考えます。

しかし、

「ここは安定している」

と思っていると、同じ警戒をしなくなる可能性があります。

7巻で怖いのは、値動きの大きさだけではありません。

リスクが小さいと思っていた状態で、突然大きな変化が起きることです。


急変時には「損切りを入れておけば大丈夫」とも限らない

FXでは、

「ここまで下がったら損切りする」

とあらかじめ決めることが大切です。

ただし、相場が極端な速度で動いた場合、予定どおりの価格で取引できるとは限りません。

通常の値動きなら、

100円で損切りする。

と決めておけば、その近辺で決済できる可能性があります。

しかし価格が一気に飛べば、100円で注文を出していても、もっと不利な価格で成立する場合があります。

特にスイスフランショックのような極端な相場では、

普段を想定したリスク管理だけでは対応しきれないことがある

という点にも注意が必要です。

7巻では、この「通常ではない相場」の怖さが強く描かれています。


巨額損失によってFXが画面の中だけの話ではなくなる

普段FXをしていると、損益は画面上の数字として表示されます。

プラス10万円。

マイナス20万円。

数字だけを見ているうちは、現実感が薄くなることもあります。

しかし損失が極端に大きくなれば、その数字は生活と直接つながります。

そして証拠金を超える損失が発生すれば、口座残高がなくなるだけで終わらない場合があります。

7巻では、まさにその段階まで状況が変わります。

ただし、ここから、

「どうやって取り返すのか」

「その後くるみがどう動くのか」

まで詳しく書くと8巻と重なります。

7巻で重要なのは、

FXの損失が一瞬で現実の問題へ変わったこと

です。

その先は8巻で描かれます。


FX目線で考える7巻|本当に怖いのは「前提が変わること」

過去のチャートだけでは想定できないこともある

FXでリスクを考えるとき、過去のチャートを見ることは重要です。

過去にどれくらい動いたのか。

最大でどれほど下落したのか。

そうした情報は参考になります。

ただし7巻では、

過去の値動きを作っていた条件そのものが変わりました。

1.20が守られていた過去のチャートを見て、

「これくらいの値動きなら耐えられる」

と考えても、その1.20がなくなれば前提が違います。

過去の値動きを見るだけではなく、

「なぜその値動きになっていたのか」

まで考える必要があることが分かります。


「絶対にない」と思ったことが起きた場合を考える

相場について、

「絶対にここより下がらない」

「そんな値動きは起きない」

と決めてしまうと、その前提が崩れた場合に対応できなくなります。

もちろん、何もかも疑っていては取引できません。

だからこそ、

自分なりに根拠を持って取引することは必要です。

ただ同時に、

その根拠が間違っていた場合ではなく、根拠そのものが変わった場合にどうするか

も考えておく必要があります。

7巻のユロスイは、この違いを非常に分かりやすく見せています。


6巻から8巻へ続く中で見る7巻の役割

7巻は、6巻・8巻とセットで考えると役割が分かりやすくなります。

6巻では、

ユロスイなら比較的安定していると思える理由

が描かれました。

中央銀行による政策がある。

長く水準が維持されている。

そのため、くるみも安心します。

7巻では、その条件が突然変わります。

そして8巻では、巨額の損失を抱えたくるみが、

失ったものを元へ戻そうとする段階

へ進みます。

巨額損失の後、さらに相場へ向かう『FX戦士くるみちゃん8巻』の感想はこちら

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整理すると、

6巻=なぜ安心できたのか
7巻=安心していた前提が崩れる
8巻=その損失を元へ戻そうとする

という流れです。

7巻は、この3巻の中心にある大きな転換点です。


『FX戦士くるみちゃん7巻』はどんな人におすすめ?

7巻は、特に次のような人に向いています。

  • 6巻のユロスイの続きが気になる人
  • スイスフランショックについて知りたい人
  • 実際の相場事件を扱った投資漫画を読みたい人
  • 「安全そうな取引」にもリスクがある理由を知りたい人
  • 8巻へつながる大きな転換点を確認したい人

FXの知識がなくても物語は追えます。

ただ、

なぜユロスイが安定していると思われていたのか

を少し知っておくと、7巻の意味はかなり分かりやすくなります。

単に「突然暴落した」という話ではなくなるからです。


よくある質問

『FX戦士くるみちゃん』7巻では何が起こりますか?

7巻では、実際に2015年1月15日に起きたスイスフランショックが物語の大きな出来事になります。

スイス国立銀行が1ユーロ=1.20スイスフランの最低為替レートを終了。

その結果、スイスフランが急騰し、ユーロ/スイスフランが急落します。

くるみもこの急変に巻き込まれ、状況が大きく変わります。


スイスフランショックは実際に起きた出来事ですか?

はい。

2015年1月15日に実際に起きました。

スイス国立銀行が、それまで維持していた1ユーロ=1.20スイスフランの最低為替レートを終了したことで、スイスフランが急騰しました。


なぜユロスイは安全だと思われていたのですか?

スイス国立銀行が1ユーロ=1.20スイスフランの最低為替レートを設定していたからです。

しかも、その政策は2011年9月から3年以上続いていました。

そのため、

「1.20は簡単には割れない」

と考えやすい背景がありました。


7巻で大きな損失が出た後はどうなりますか?

その後のくるみについては8巻で本格的に描かれます。

8巻では、巨額の損失を抱えた後も相場から離れられず、失ったものを元へ戻そうとする心理が中心になります。

『FX戦士くるみちゃん8巻』の詳しい感想はこちら

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まとめ|7巻は「大丈夫」と思っていた理由そのものが崩れる巻

『FX戦士くるみちゃん』7巻で重要なのは、スイスフランショックが起きたことだけではありません。

その前に、

ユロスイなら大丈夫だと思える理由があったこと

です。

中央銀行の政策がある。

1.20という水準が長期間守られている。

実際に相場も安定している。

それだけ材料がそろえば、

「明日も同じだろう」

と考えたくなります。

しかし2015年1月15日、その条件が変わりました。

そして相場も一気に変わります。

7巻は、

「無茶な取引をしたから失敗した」

だけの話ではありません。

むしろ、

それまで合理的だった考え方が、前提の変化によって一気に通用しなくなる

ところが重要です。

6巻では安心する理由が描かれました。

7巻ではその理由が崩れます。

そして8巻では、その結果を抱えたくるみ自身の判断が問題になっていきます。

シリーズの中でも、7巻は物語の方向を大きく変える一冊です。

スイスフランショックという実際の出来事を知る意味でも、

「想定外とは何なのか」

を考える意味でも、非常に重要な巻だと思います。

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※本記事は漫画作品の感想・考察を目的としています。FX取引や特定の通貨ペアへの投資を推奨するものではありません。FXでは急激な価格変動によって元本を超える損失が発生する場合もあるため、実際に取引する際は十分なリスク管理が必要です。

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