
FXでエントリーをする際に何Lot(ロット)ポジションを持てば良いのか迷うことはありませんか?
適当に決めてしまうと損切りになった時に大損をしてしまう可能性があります。
よって毎回想定している損切り幅に対して、適切なロット計算の方法を解説したいと思います。
※注意点
利用されているFX業者またはコースによって1Lotが1万通貨だったり、10万通貨だったりと異なることがあります。
ここでは一般的な1Lotを1万通貨として計算しています。
あと今回は計算のしやすいように1ドル=100円で計算しています。
おすすめしないやり方
まず最初におすすめしないやり方のご紹介です。
エントリーする際のロット計算が面倒くさいからと、想定している損切り幅が何pipsだろうが関係なく同じロット数でポジションを持ってしまうやり方です。
例としては、エントリーを検討した時に想定している損切り幅までが10pips、20pips、30pipsのどれになっても全部10Lotでエントリーをしてしまうというようなやり方です。
このやり方ですと毎回エントリーをする際に、何Lot持つかの計算をしなくて良いので手間は省けますが、損切りまでの幅が大きかった場合に大きく損を出してしまうことがあります。
よってポジションを持とうと考えた時に、何Lot持ったらよいのか計算する方が良いと思います。
Lot(ロット)計算方法
まず最初に大事なこととしてエントリーを検討する際に、どこで損切りをするのかを先に決めましょう。
例えば「買い」エントリーをしようとした際に、相場の上昇を想定していますが思惑とは逆に下がってきた場合にどこまで下がったら損切りをするのかというのを決めてください。
押し目でエントリーを前提にすると、一般的には直近安値を下回ったら損切り、もしくはもう一つ下の押し目の下辺りが想定される損切り位置になるかと思います。
次に1回損切りにあった時にいくらまでの損失なら許容できるか金額を決めます。
これも一般的には自己資金の2%が目安になるかと思います。
つまり自己資金10万円なら1回の損切りで2,000円の損失で抑えるようにLot(ロット)を決めるということです。
少しリスクを見てでも多く増やしたい人は5%くらい許容する人もいます。
安全に考える人は1%の人もいますが、ここは個人の考えによります。
ただここでの計算は、1回の損失の額を2%(下記①)と5%(下記②)にするという条件で計算したいと思います。
まず自分がエントリーをする位置から、想定している損切り位置までが何pipsなのか確認します。
チャートを使って説明します。

上昇トレンド中の押し目でエントリーを想定したという例での紹介です。
赤丸辺りで上昇トレンド中の押し目が形成されたように見えます。
よってここで「買い」エントリーを検討します。
その際に想定している損切り位置を①もしくは②とした場合で計算をしてみたいと思います。
ちなみにエントリーをしようとしている赤丸から①の損切りポイントまでは10pips、②までは20pipsと仮定します。
①の場合(損切り幅10pips)
自己資金を100,000円、1回のトレードで損切りに合った場合に許容できる割合を2%と仮定します。
100,000円(現在の自己資金)×2%=2,000円(1回のトレードで損切りに合った場合に許容できる額)
2,000円(1回のトレードで損切りに合った場合に許容できる額)÷想定している損切り幅(今回の場合10pips)=200円(1pipsあたりの損失額)
200円(1pipsあたりの損失額)×(1ドル=100円)=20,000通貨(最適なポジションサイズ)
ということで2Lotまでポジションを持つことが出来るという計算になりました。
ただし、これはレバレッジをかけていない場合の計算方法です。
レバレッジをかける場合は(例 レバレッジ20倍)
(200円(1pipsあたりの損失額)÷レバレッジ20倍=10)×(1ドル=100円)=1,000通貨(最適なポジションサイズ、今回の場合0.1Lotです)となります。
ちなみにレバレッジをかけていない20,000通貨をレバレッジ20倍の20で割ってもいいと思います。
ただここで損切りに合ったとします。
そうしますと100,000円-2,000円(損切り額)=98,000円(現在の自己資金)
98,000円となりますと次回のポジション計算は以下のようになります。
98,000円(現在の自己資金)×2%=1,960円(1回のトレードで損切りに合った場合に許容できる額)
1,960円(1回のトレードで損切りに合った場合に許容できる額)÷想定している損切り幅(今回の場合10pips)=196円(1pipsあたりの損失額)
196円(1pipsあたりの損失額)×100=19,600通貨(最適なポジションサイズ)
というように毎回損切り許容額が2,000円となるのではなく、損切り回数が増えてくると一回の許容できる損失額も変わってくるためポジションサイズも変わってきます。
よって自己資金が少ないうちは、1000通貨などの小額で取引ができるFX業者の方が調整がしやすいかもしれません。
1Lot=10,000通貨のみの業者ですと、損切り額調整の細かい計算が出来なくなってしまうからです。
ちなみに上記の19,600通貨=1.96Lotということになりますが、100通貨単位で取引できるFX業者はかなり少ないため安全に行くなら、1000通貨単位で取引できる業者を利用して1.9Lotまでが良いと思います。
②の場合(損切り幅20pips)
自己資金を①の時より増やしまして1,000,000円、1回のトレードで損切りに合った場合に許容できる割合を5%と仮定し計算してみます。
1,000,000円(現在の自己資金)×5%=50,000円(1回のトレードで損切りに合った場合に許容できる額)
50,000円(1回のトレードで損切りに合った場合に許容できる額)÷想定している損切り幅(今回の場合20pips)=2,500円(1pipsあたりの損失額)
2,500円(1pipsあたりの損失額)×100=250,000通貨(最適なポジションサイズ)
ということで25Lotまでポジションを持つことが出来るという計算結果です。
※レバレッジをかける場合は上記の①の計算方法を参照
まとめ
現在の自己資金×1回の損切りで許容できる割合=1回のトレードで損切りに合った場合に許容できる額
1回のトレードで損切りに合った場合に許容できる額÷想定している損切り幅=1pipsあたりの損失額
1pipsあたりの損失額×100=最適なポジションサイズ
上記の計算方法は一見複雑で面倒くさいように思える方もいるかもしれません。
ただ慣れてきますとエントリーを検討する際に瞬時に計算ができるようになってきます。
パソコンの画面を開いているなら計算機も同時に表示させておく方法や、電卓を常に隣に置いて置きエントリー前にどれだけポジションを持てばよいかを即座に計算する癖をつけておくと良いと思います。
これをやっておかないと、どんぶり勘定でトレードを繰り返していると損失を出した時に思わぬ損害を食らう恐れがありますので気を付けましょう!
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