
『FX戦士くるみちゃん』の主人公・福賀くるみがFXを始める理由は、かなり特殊です。
お金を増やしたいから。
副収入が欲しいから。
そういった理由ではありません。
母親がFXで失った2000万円を取り戻すためです。
しかも、くるみはFXが人を追い詰めるところを子どもの頃から目の当たりにしています。
それでも大学生になった彼女は、自分も同じ相場へ入っていきます。
1巻で気になるのは、
「FXが危険だと知らなかったから始めた」のではない
というところです。
怖さを知っている。
それでも、自分なら取り戻せると思って始める。
この矛盾から『FX戦士くるみちゃん』の物語は動き始めます。
この記事では、『FX戦士くるみちゃん』1巻のあらすじと感想を、ネタバレを含めて紹介します。
※ここから先は1巻の内容に触れています。
『FX戦士くるみちゃん1巻』の基本情報
『FX戦士くるみちゃん』1巻は、2021年7月21日にKADOKAWAから発売されました。
- 原作:でむにゃん
- 作画:炭酸だいすき
- 発売日:2021年7月21日
- 出版社:KADOKAWA
- レーベル:MFコミックス フラッパーシリーズ
- ページ数:164ページ
KADOKAWA公式でも、女子大生のくるみが2000万円を稼ぐためFXへ挑戦する作品として紹介されています。FX初心者でも読みやすいよう、作中には状況や専門用語の説明も入っています。
シリーズをこれから読むなら、当然ながら1巻が出発点です。
後の大きな損失だけを知っていると見落としやすい、
「そもそも、なぜくるみはFXを始めたのか」
が分かる巻でもあります。
『FX戦士くるみちゃん1巻』のあらすじ【ネタバレあり】
物語は2008年秋から始まります。
当時、中学生だったくるみの母親は、単身赴任中の父親に隠れてFXをしていました。
ところがリーマン・ショックによる大きな相場変動に巻き込まれ、2000万円を失います。
母親はその後、精神的に追い詰められていき、4か月後に自ら命を絶ちます。
KADOKAWA公式でも、この出来事が物語の原点として紹介されています。
それから約5年。
2014年2月、大学2年生になったくるみは、自分自身もFXを始めます。
目標は、母親が残した損失と同じ金額を稼ぐこと。
母親を苦しめたFXから離れるのではなく、同じFXで失われたお金を取り戻そうとするわけです。
そして実際に相場へ入り、為替が動くたびに増減する自分のお金と向き合うことになります。
ここから、くるみとFXの長い物語が始まります。
『FX戦士くるみちゃん1巻』の感想|怖さを知っているのにFXを始める
母親を苦しめたものから逃げるのではなく、自分も同じ世界へ入る
1巻で最も気になるのは、
なぜ、くるみはFXを始めたのか
というところです。
母親が大きなお金を失う姿を見ています。
さらに、その後家族に何が起きたのかも知っています。
それなら、
「自分は絶対にFXには近づかない」
となりそうなものです。
ところが、くるみは逆の選択をします。
母親が失った分を、自分が取り返す。
この時点で、くるみにとってFXは普通の資産運用ではありません。
過去の出来事と強く結びついています。
だから、
「もっと安全な方法でお金を貯めればいい」
という理屈だけでは片づけられないのでしょう。
この少し危うい動機があるからこそ、1巻は単なる「女子大生がFXを始めてみた」という話になっていません。
「稼ぎたい」ではなく「取り戻したい」から始まっている
似ているようで、
「お金を増やしたい」
と、
「失われたお金を取り戻したい」
では意味が違います。
前者は、これから資産を増やしていく話です。
一方、後者には過去があります。
くるみ自身が相場で2000万円を失ったわけではありません。
それでも、母親の損失を自分が背負うような形でFXを始めています。
つまり、初めて取引をする時点ですでに、
「取り返さなければならない」
という意味がFXに加わっているわけです。
シリーズが進むと、「失ったお金を取り返したい」という心理はさらに大きなテーマになっていきます。
その原点は、すでに1巻にあります。
実際にお金が動き始めると、FXの見え方も変わる
FXを外から見ていると、為替レートはただの数字です。
しかし、自分のお金を入れた瞬間から意味が変わります。
チャートが少し上がる。
利益が増える。
反対へ動けば、その利益が減る。
さらに動けば含み損になる。
KADOKAWAが1巻を紹介する際にも、「チャートが1mm動くたび」という表現が使われています。単なるFXの仕組みではなく、値動きに振り回されるくるみの感情が作品の見どころになっています。
ここはFXを扱った漫画だからこそ面白いところです。
数値だけなら数円、数十円の動きでも、自分のお金がかかっていると気持ちは大きく揺れる。
1巻では、くるみがその世界へ入っていく様子が描かれています。
可愛い絵柄なのに、物語の出発点はかなり重い
『FX戦士くるみちゃん』については、
「絵が可愛いのに内容が重い」
という感想がよく見られます。
実際、KADOKAWA公式のレビュー欄にも、見た目との違いに驚いたという読者の声があります。
1巻からそのギャップはかなり大きいです。
登場人物の見た目は可愛い。
ところが、その背景にあるのは、
- FXによる巨額損失
- 母親の死
- 家族に残った影響
- お金を取り返そうとする娘
という重い話です。
ただし、作品の魅力はギャップだけではありません。
もっと気になるのは、
これだけ身近にFXの厳しい結果を知っている人でも、自分なら違うと思って相場へ入れる
というところです。
そこに1巻の人間らしさがあります。
FX目線で考える1巻|最初から感情と相場が結びついている
くるみにとってFXは単なる投資ではない
FXで冷静に判断するには、
「今のポジションをどうするか」
を相場の状況から考える必要があります。
しかし、くるみの場合は最初からFXそのものに強い意味があります。
母親。
過去の損失。
家族の記憶。
そして、自分が取り戻したいという思い。
こうした感情と取引が最初から結びついています。
だから1巻で注目したいのは、
「FX初心者だから危ない」
という単純な話ではありません。
相場とは別の理由を強く背負ったまま取引を始めていることです。
相場は、くるみの過去を考慮して動いてくれるわけではありません。
しかし本人にとっては、一本一本の値動きが2000万円という目標につながっています。
このズレが、後の物語につながる重要な部分です。
大きな目標だけを見ると、小さな利益では満足しにくくなる
2000万円という数字は簡単に到達できる金額ではありません。
数万円利益が出ても、ゴールまでの距離はほとんど縮まっていないように見えるでしょう。
そうなると、
「もっと増やしたい」
「もっと早く稼ぎたい」
という気持ちが出てくる可能性があります。
もちろん、1巻の時点ですべての判断が崩れるわけではありません。
むしろ重要なのは、
後の行動につながりそうな種が、最初から置かれている
ことです。
シリーズを続けて読むと、1巻の2000万円という目標が単なる設定ではなかったことが分かってきます。
シリーズの流れで見る1巻の役割
1巻の役割は、とてもシンプルです。
くるみがFXの世界へ入る巻。
ただし、単に口座を作って取引を始めるだけではありません。
なぜFXなのか。
なぜそこまでお金にこだわるのか。
なぜ母親の失敗を知っているのに相場へ入るのか。
その理由が描かれています。
この部分を知っているかどうかで、2巻以降のくるみの行動の見え方も変わります。
そして2巻では、一度FXから距離を置こうとしながら、再び相場へ戻っていきます。
さらに、本来なら取引へ使わないはずだったお金にまで手を伸ばすようになります。
つまり序盤は、
1巻=FXへ入る
2巻=離れようとしても戻る
という流れです。
一度FXから離れようとしたくるみが再び相場へ戻る『FX戦士くるみちゃん2巻』の感想はこちら

『FX戦士くるみちゃん1巻』はどんな人におすすめ?
1巻は、特に次のような人に向いています。
- 『FX戦士くるみちゃん』をこれから読み始めたい人
- くるみがFXを始めた理由を知りたい人
- FX初心者の感情の変化に興味がある人
- 投資と人間心理を扱った漫画が好きな人
- 2巻以降の展開を理解して読みたい人
FXの知識がなくても問題ありません。
KADOKAWA公式でも、作中には状況や専門用語の説明があり、初心者でも楽しめる作品として紹介されています。
むしろ最初はFXをよく知らない方が、くるみと同じように、
「なぜこんなに数字が気になるのだろう」
という感覚から入れるかもしれません。
よくある質問
『FX戦士くるみちゃん』1巻では何が起こりますか?
中学生だったくるみは、母親がFXで2000万円を失ったことを知ります。
その後、母親は自ら命を絶ちます。
数年後、大学生になったくるみは、母親が残した損失と同額を稼ぐことを目標に、自分自身もFXを始めます。
なぜくるみはFXを始めたのですか?
母親がFXで失った2000万円を取り戻すためです。
ただし作品の流れを見ると、単純にお金が欲しいというより、母親や過去の出来事への思いと強く結びついた目標として描かれています。
FXを知らなくても1巻は読めますか?
読めます。
作中ではFXの状況や用語についての説明も入り、初心者でも物語を追いやすい構成になっています。
作品の中心は専門的なトレード手法よりも、値動きを見たときの人間の感情です。
2巻ではどうなりますか?
2巻では、一度FXから距離を置こうとしたくるみが、再び相場へ戻っていきます。
さらに、ロスカットを避けるため、本来取引へ使う予定ではなかったお金にまで手を伸ばす展開へ進みます。
『FX戦士くるみちゃん2巻』の詳しい感想はこちら

まとめ|1巻は「なぜFXへ入ったのか」を知るための原点
『FX戦士くるみちゃん』1巻は、シリーズの出発点です。
母親がFXで大きなお金を失った。
その後、家族に取り返しのつかない出来事が起きた。
それでも大学生になったくるみは、自分もFXを始めます。
普通なら避けそうなものへ、自分から入っていく。
ここに、この作品の最初の矛盾があります。
くるみにとってFXは、最初から単なるお金稼ぎではありません。
母親との記憶や、失われたお金を取り戻したいという思いが重なっています。
だからこそ、後に相場との距離がおかしくなっていく過程にも説得力が出てきます。
1巻ではまだ、シリーズ後半のような大きな破綻は起きません。
しかし、
「すべてはどこから始まったのか」
を考えるなら、最も重要な巻です。
2巻以降のくるみを理解するためにも、1巻は飛ばさず読んでおきたい一冊です。
『FX戦士くるみちゃん』全巻の感想・各巻の見どころはこちら

※本記事は漫画作品の感想・考察を目的としています。FX取引や特定の投資行動を推奨するものではありません。FXでは証拠金以上の損失が発生する場合もあるため、実際に取引する際は十分なリスク管理が必要です。



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