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【書評】『FX戦士くるみちゃん』2巻――くるみちゃん、再び戦場へ!


一見すると、可愛らしい絵柄のゆるい日常系マンガ。

けれどページをめくるごとに、その印象は静かに裏切られていきます。

『FX戦士くるみちゃん 2巻』は、前巻以上に「お金」と「人間の弱さ」を容赦なく突きつけてくる一冊でした。

読んでいて何度も思いました。「これはフィクションの顔をした、ほとんど現実だ」と。

くるみちゃん、再び“戦場”へ戻る

前巻で大きな痛手を負い、FXの世界から一度は離れようとしたくるみ。

しかし本作では、父親にタンス預金へ手を出したことがバレかけるという緊張感の中で、彼女は一度「引退」を決意します。

ここまでは、ある意味で“よくある反省の流れ”です。

普通なら、ここで立ち止まるはずでした。

しかし現実は甘くありません。

萌智子や新キャラの芽吹に焚き付けられる形で、くるみは再びFXの世界へ戻ってしまうのです。

この展開が、とにかくリアルで苦しい。

「やめたはずなのに戻ってしまう」

この構図は、投資というよりも、もはや依存に近いものを感じさせます。

新キャラ・芽吹が象徴する“危うさ”

今巻で登場する芽吹というキャラクターが、非常に印象的です。

彼女は軽い気持ちでFXに足を踏み入れ、リスクを深く理解しないまま突き進んでいきます。

正直に言うと、読んでいてかなりきつい。

楽観的すぎる考え方、周囲の助言を聞かない姿勢、「なんとかなる」という根拠のない自信。

ですが同時に、「こういう人、実際にいるよな」とも思ってしまうのです。

むしろ怖いのは、くるみよりも芽吹の方かもしれません。

くるみは痛みを知っている分だけ、まだ現実を理解しようとしている。

しかし芽吹は、その痛みをまだ知らない。

だからこそ、どこまでも無防備です。

少しずつ壊れていく“金銭感覚”

本作で特に強く感じたのは、くるみの変化です。

明らかに、金銭感覚が少しずつ狂っていく。

最初は「大金」だったはずの金額が、次第にただの数字になっていく感覚。

損失に対する痛みが鈍くなり、取り返そうとする気持ちが先行する。

この描写が、あまりにもリアルで怖い。

FXをやったことがある人なら、一度は感じたことがあるはずです。

「ポジションを持たなければ当たるのに、持った瞬間に逆に動く」

そんな理不尽さに振り回される感覚。

本作は、その“あるある”を誇張ではなく、むしろ冷静に描いているように感じました。

4人の投資バトルという名の“消耗戦”

物語はやがて、くるみ・萌智子・芽吹・やす子の4人による「誰が一番稼げるか」という競争の形になっていきます。

一見すると楽しげな構図ですが、実態はまったく違う。

これは勝負ではなく、消耗戦です。

それぞれが違う考え方、違うリスク感覚で相場に向き合う中で、少しずつ歯車がズレていく。

友情のように見えていた関係にも、どこか不穏な空気が漂い始めます。

その中で唯一、やす子の存在が少しだけ救いに感じられるのも印象的でした。

かわいい絵柄だからこそ刺さる“現実”

『FX戦士くるみちゃん 2巻』のすごさは、かわいい絵柄と重すぎるテーマのギャップにあります。

もしこれがリアルな絵柄だったら、ここまで読み進められなかったかもしれません。

しかし、柔らかいタッチだからこそ、読者は気づかないうちに深いところまで踏み込んでしまう。

そして気づいたときには、「これは他人事じゃない」と思わされる。

最近は金融教育が広まり、「資産形成」という言葉も身近になりました。

ですが、その裏にあるリスクや人間心理まで理解している人は、どれだけいるでしょうか。

この作品は、その“見えにくい部分”をしっかりと描いています。

まとめ|笑えないのに、目が離せない投資漫画

『FX戦士くるみちゃん 2巻』は、単なる投資漫画ではありません。

お金に向き合う人間の弱さ、判断の甘さ、そして引き返せなくなる怖さを描いた作品です。

読んでいて楽しいというより、「怖いのに読んでしまう」。

そんな感覚に近いかもしれません。

だからこそ価値がある。

特にFXや投資に少しでも興味がある人なら、一度は読んでおくべき一冊です。

これはフィクションでありながら、現実そのものでもあります。


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