
FXで複数の時間足を見るようになると、逆に迷ってしまうことがあります。
「日足では上がっているのに、5分足では下がっている」
「4時間足と30分足、どちらを優先すればいい?」
私も以前は、時間足を切り替えるたびに見え方が変わり、
「結局どれを見ればいいんだろう」
と思うことがありました。
今は、一つの時間足に正解を求めるより、それぞれの時間足で確認することを決めておく方が分かりやすいと考えています。
そこで今回は、2020年12月7日~11日のAUD/JPY(豪ドル円)の過去チャートを使い、
日足
↓
4時間足
↓
30分足
↓
5分足
の順番で確認しながら、押し目買いを考えられる場所を検証してみます。
今回の画像では、赤い縦線より右側をまだ見えていないものとして分析します。
完成したチャートを後から見て、
「ここで買えばよかった」
と答えを探すのではなく、
その時点までの値動きだけを見た場合、自分なら何を考えるか
という視点で進めます。
なお、今回のチャートではボリンジャーバンドを期間20、±2σで表示しています。中央線は20期間の移動平均線です。
- 今回の検証条件|AUD/JPYを上位足から順番に確認する
- 結論|今回は日足の上昇方向を確認してから買い候補を探した
- STEP1 日足|まず大きな方向を確認する
- STEP2 4時間足|水平線と移動平均線から押し目候補を探す
- STEP3 30分足|ダブルボトムに近い形から反発候補を確認する
- STEP4 5分足|エントリー候補をさらに細かく確認する
- 日足→4時間足→30分足→5分足をどう使い分けたか
- この場面でエントリーするなら損切りはどこに置く?
- 利確候補は日足の直近高値などから考える
- その後のAUD/JPYはどう動いたのか
- 今回の検証で良かったと思う点
- 改善できる点もある
- マルチタイムフレーム分析で注意したいこと
- チャートパターンを見る時間足については別記事で解説
- 【PR】複数の時間足を切り替えて確認するならFXTFのMT4
- よくある質問
- まとめ|時間足を増やすより、それぞれの役割を決める
今回の検証条件|AUD/JPYを上位足から順番に確認する
最初に今回の条件を整理しておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通貨ペア | AUD/JPY(豪ドル円) |
| 対象期間 | 2020年12月7日~11日 |
| 確認する時間足 | 日足・4時間足・30分足・5分足 |
| 基本的な考え方 | 上位足の方向を確認してから押し目買い候補を探す |
| 主な分析材料 | 高値・安値、水平線、移動平均線、チャートパターン |
| 検証方法 | 赤い縦線より右側を見ない前提で考える |
今回の目的は、
「この方法なら勝てる」と証明することではありません。
一つのAUD/JPYチャートを使って、
「日足では何を見るのか」
「4時間足まで下げる理由は何か」
「さらに30分足や5分足を見る意味はあるのか」
を具体的に考えることが目的です。
結論|今回は日足の上昇方向を確認してから買い候補を探した
先に今回の分析の流れをまとめると、次のようになります。
日足
→ 大きな方向を確認する
4時間足
→ 押し目になりそうな場所を探す
30分足
→ 反発を考えられる形が出ているか確認する
5分足
→ さらに細かなエントリー候補を見る
今回の日足では、大きな流れとしては買い方向を優先して考えられる状態に見えました。
そのため、下位足へ移ってからも、
「どこで売れるか」
ではなく、
「日足の上昇方向に沿って、買いを考えられる場所はあるか」
という視点で見ています。
もちろん、日足が上昇しているから必ず買うという意味ではありません。
まず大きな流れを確認し、その中でエントリーできる場所があるかを下位足で探していきます。
STEP1 日足|まず大きな方向を確認する

上のチャートはAUD/JPYの日足です。
赤い縦線より右側が今回の検証対象期間ですが、まずはそこを見ない状態で考えます。
それまでの値動きを見ると、大きく上昇したあと、一度下落して調整しています。
青い線で平行チャネルを引いていますが、私が気になったのは赤丸部分です。
価格はチャネルの下限付近まで下がり切る前に反発しています。
だからといって、
「上昇が続く」
と決めつけることはできません。
ただ、この時点では大きな上昇の流れが完全に崩れたようには見えず、再び買われていることも確認できます。
そこで私は、
直近高値付近に引いた赤い水平線までは、売りを積極的に狙うより、買い候補を探してみよう
と考えました。
日足で重要なのは、細かなエントリー位置ではありません。
今回の日足は、
「買いと売りのどちらを優先して見るか」を考えるため
に使っています。
上位足を使って相場全体の方向を判断する方法については、「FXで相場の方向感を見極める方法」で詳しく解説しています。

STEP2 4時間足|水平線と移動平均線から押し目候補を探す
次に4時間足へ下げます。

4時間足にすると、日足より細かな値動きが見えるようになります。
赤い水平線は、4時間足で過去に価格が反応している場所を参考に引いています。
ここで注目したのが赤丸部分です。
価格が水平線付近まで下がってきており、同じ辺りに移動平均線もあります。
日足では、
「大きな流れとしては買い方向を優先してみたい」
と考えていました。
その状態で4時間足を見ると、水平線と移動平均線が近い赤丸付近は、押し目候補の一つとして見ることができます。
ただし、
「水平線と移動平均線が重なったから買う」
と決めるのは早いと思います。
そのまま水平線を割って下落する可能性もあるからです。
そこで今回は、さらに短い時間足へ下げて、
実際に反発を考えられる値動きが出ているか
を確認します。
水平線の引き方やサポート・レジスタンスとしての使い方については、水平線の解説記事で詳しく紹介しています。

4時間足だけでエントリーしなかった理由
4時間足の赤丸付近だけを見ても、買い候補には見えます。
それなら、
「4時間足でそのまま入ればいいのでは?」
と思うかもしれません。
もちろん、トレードスタイルによっては4時間足を基準にエントリーしても構いません。
ただ今回は、
もう少し細かく値動きを確認してから入りたい
と考えました。
4時間足は、
「この辺りなら買いを検討できるかもしれない」という場所を探すため
に使い、その場所の中を30分足でさらに確認してみます。
時間足全般の使い分けについては、ここで詳しく説明すると今回の記事のテーマから離れるため、別記事にまとめています。
日足・4時間足・1時間足などをどのように使い分ければよいのかについては、「FXの時間足はどれを選ぶ?」で実例を使って解説しています。

STEP3 30分足|ダブルボトムに近い形から反発候補を確認する
次に30分足です。

4時間足で確認した水平線付近を30分足まで拡大すると、より細かな値動きが見えてきます。
赤丸部分を見ると、ピンク色で示したように、2回安値を試すような値動きになっています。
ダブルボトムに近い形です。
ここで重要なのは、
「ダブルボトムが出たから買う」
ということではありません。
順番としては、
日足
→ 大きな上昇方向を確認
4時間足
→ 押し目候補となる場所を確認
そのうえで、
30分足にも反発を考えられる形が出てきた
と見ています。
つまり、30分足の形だけを根拠にしているのではありません。
青い線はネックラインとして見ている場所です。
黄色丸付近ではそのラインを上抜け、移動平均線より上側へ価格が出ています。
私なら、この辺りから買いエントリーを検討します。
ただ、完成した過去チャートを見ているからこそ、
「きれいなダブルボトムだった」
と言える面もあります。
実際の相場では、ネックラインを上抜けたあと再び下落することもあります。
だからこそ、エントリー候補だけでなく、
どこまで下がったら買いシナリオを見直すのか
までセットで考える必要があります。
ダブルトップ・ダブルボトムの見つけ方やネックラインについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

STEP4 5分足|エントリー候補をさらに細かく確認する
最後に5分足まで下げます。

5分足まで下げると、30分足では一つの反発に見えていた値動きの中にも、さらに細かな動きがあることが分かります。
ピンク色で示した部分を見ると、何度か安値を試しながら下げ止まっています。
トリプルボトムに近い形です。
さらに青いネックラインを上抜け、その後、黄色丸付近では移動平均線近辺でも下げ止まっています。
ここも買い候補の一つとして考えられます。
ただし、私が5分足を見ているのは、
「5分足に買いサインが出たから買うため」ではありません。
すでに、
日足で大きな方向を確認し、
4時間足で押し目候補を確認し、
30分足で反発を考えられる形を確認しています。
その最後に、
5分足をエントリー候補の確認に使った
という順番です。
なお、今回5分足まで下げたのは、5分足が最も優れているからではありません。
30分足の時点で十分に判断できるのであれば、無理に5分足まで見る必要はないと考えています。
短い時間足へ下げるほど細かな値動きも増えるので、かえって迷う場合もあります。
日足→4時間足→30分足→5分足をどう使い分けたか
ここまでの分析を整理すると、今回それぞれの時間足には次の役割を持たせました。
| 時間足 | 今回確認したこと |
|---|---|
| 日足 | 大きな方向を確認する |
| 4時間足 | 押し目候補となる場所を探す |
| 30分足 | 反発を考えられる形を確認する |
| 5分足 | エントリー候補を細かく確認する |
以前の私は、マルチタイムフレーム分析というと、
「たくさんの時間足を見た方が分析の精度が上がる」
というイメージを持っていました。
でも今は、見る数そのものより、
「その時間足で何を確認するのか」
を決める方が大事だと思っています。
今回、日足ではエントリー位置を探していません。
反対に、5分足を見て大きな相場方向を決めてもいません。
それぞれに役割を分けています。
この場面でエントリーするなら損切りはどこに置く?
エントリー候補を決めたら、
「どこで買うか」
だけではなく、
「どこまで下がったら、自分の考えを見直すか」
も考えておきたいところです。
例えば30分足なら、ダブルボトムに近い形を作った安値付近。
5分足なら直近の押し安値などが、損切り候補として考えられます。
ただし、
「安値から必ず5pips下」
のように、値幅だけで固定する必要はありません。
私なら、
買いシナリオが崩れたと判断する場所を先に考える
↓
そこまでの距離を確認する
↓
許容できる損失に合わせてLotを調整する
という順番にします。
損切りにかかりたくないから遠くへ動かすのとは意味が違います。
損切りをどこに置けばよいのか迷う場合は、「FX損切りラインの決め方」でチャート例を使って詳しく解説しています。

利確候補は日足の直近高値などから考える
今回なら、日足で最初に確認した直近高値付近の赤い水平線が、利確候補の一つになります。
ただし、必ずそこまで上昇するわけではありません。
途中のレジスタンスで止まる可能性もあります。
そのため、
- 上位足の高値
- レジスタンス
- 損切りまでの距離
- 期待できる利益幅
などを見ながら考えます。
大切なのは、
エントリーした後になってから出口を考え始めないこと
だと思います。
その後のAUD/JPYはどう動いたのか
今回の画像を見ると、黄色丸付近を買い候補として考えた場合、その後の価格は上方向へ動いています。
結果だけを見れば、
「ここで買えばよかった」
と思ってしまいます。
しかし、これは完成した過去チャートだから分かることです。
この1例だけから、今回の分析方法の有効性や勝率を判断することはできません。
今回は、
- 日足の大きな方向
- 4時間足の水平線
- 移動平均線
- 30分足の反発候補
- 5分足の細かな値動き
がうまくかみ合った一例です。
別の場面では、似た条件がそろっても損切りになることがあります。
今回のチャートは、
「複数の時間足をどのようにつないで見るのか」
を考えるための一例として捉えるのがよいと思います。
今回の検証で良かったと思う点
改めて振り返ると、今回の分析で良かったと思うのは3つあります。
上位足から確認した
最初から5分足でエントリーを探さず、日足から見ています。
そのため短期足で一時的に下落しても、
「下がったから売ろう」
と簡単に目線を変えずに済みます。
4時間足で先に「場所」を絞った
4時間足の水平線付近という押し目候補を確認してから下位足を見ています。
これによって、5分足に出てくるすべての反発を買い候補として見ることを避けやすくなります。
下位足はタイミング確認に使った
30分足や5分足は、大きな方向を決めるのではなく、
「この場所で実際に反発を考えられるか」
を確認するために使いました。
今振り返っても、この順番自体は分かりやすいと思います。
改善できる点もある
一方、成功したチャートだけを見て、
「全部うまく分析できた」
と考えるのも危険です。
今改めて見ると、改善できる点もあります。
一つは、
本当に5分足まで下げる必要があったのか
ということです。
30分足ですでに反発を考えられる形とネックライン突破を確認できています。
トレードスタイルによっては、30分足だけで十分だった可能性もあります。
もう一つは、
チャートパターンを完成後に見ているという点です。
終わったチャートなら、
「これはダブルボトム」
「これはトリプルボトム」
と簡単に言えます。
しかし形成途中では、そのまま安値を更新する可能性もあります。
過去チャートを検証するときほど、
「自分はこの先の値動きを知らない」
という前提を意識する必要があると思います。
マルチタイムフレーム分析で注意したいこと
時間足を増やしすぎない
日足、4時間足、2時間足、1時間足、30分足、15分足、5分足……。
いくらでも増やすことはできます。
ただ、たくさん見れば、どこかには自分の予想に合う根拠も見つかります。
それでは分析ではなく、
自分に都合のよいチャートを探しているだけ
になりかねません。
普段見る時間足はある程度決めておいた方が、私は判断しやすいと感じます。
上位足と下位足が同じ方向になるとは限らない
日足が上昇していても、4時間足や1時間足では一時的に下落していることがあります。
今回でいえば、その下落が押し目候補になっています。
すべての時間足が同じ方向になるまで待つという意味ではありません。
下位足だけで売買方向を決めない
5分足に反発の形が出ても、上位足が強い下降トレンドなら意味合いは変わります。
今回5分足を買い候補として見られたのは、先に日足と4時間足を確認していたからです。
複数時間足を見ても損失はなくならない
4つの時間足を確認したからといって、利益になるわけではありません。
マルチタイムフレーム分析の目的は、
必ず勝てる根拠を探すことではなく、自分がなぜその場所でトレードするのかを整理すること
だと私は考えています。
チャートパターンを見る時間足については別記事で解説
今回のAUD/JPYでは、
- 30分足でダブルボトムに近い形
- 5分足でトリプルボトムに近い形
を確認しました。
ただ、
「チャートパターンは何分足で見るのがいいの?」
という疑問までこのページで詳しく説明すると、テーマが広がりすぎます。
ダブルトップや三尊、フラッグなどをどの時間足で確認すればよいのかについては、「FXのチャートパターンは何分足で見る?」で詳しく解説しています。

【PR】複数の時間足を切り替えて確認するならFXTFのMT4
今回のような分析では、
日足
↓
4時間足
↓
30分足
↓
5分足
と時間足を切り替えながらチャートを確認します。
こうした分析をするとき、複数の時間足をすぐに切り替えられるチャート環境があると便利です。
FXTFのMT4では、
1分・5分・15分・30分・1時間・4時間・日足・週足・月足
の9種類の時間足を切り替えて表示できます。
今回のAUD/JPYのように、上位足で大きな流れや水平線を確認し、その後短期足まで下げていく分析にも利用できます。
※サービス内容や取引条件は変更される可能性があります。最新情報はFXTF公式サイトで確認してください。
よくある質問
マルチタイムフレーム分析では何個の時間足を見ればよいですか?
決まりはありません。
今回私は4つの時間足を確認しましたが、毎回4つ必要という意味ではありません。
例えば日足・4時間足・1時間足の3つで十分な場合もあります。
大切なのは、
何個見るかではなく、それぞれ何を見るために使うのか
です。
日足と4時間足の方向が違う場合はどうしますか?
すぐにエントリーする必要はないと思います。
日足が上昇していても、4時間足では押し目を作るために一時的に下落していることがあります。
単純に、
「方向が違うからダメ」
ではなく、
上位足の大きな流れの中で、現在どの位置にいるのか
を見ることが大切です。
5分足まで見る必要はありますか?
必ず見る必要はありません。
今回も30分足の時点ですでに反発を考えられる形が出ています。
細かいエントリー位置まで確認したいときに5分足へ下げる程度でよいと思います。
日足が上昇していれば必ず買いますか?
いいえ。
日足が上昇していても、買う場所が悪ければ損切りになる可能性があります。
日足は買いを優先するかどうかを考える材料の一つであり、
「どこでも買っていい」という意味ではありません。
時間足をたくさん見れば分析精度は上がりますか?
単純に数を増やせばよいとは思いません。
時間足を増やすほど買い材料と売り材料の両方が見つかり、かえって迷うこともあります。
自分が普段確認する時間足をある程度決めておく方が、判断を一貫させやすくなります。
まとめ|時間足を増やすより、それぞれの役割を決める
今回は2020年12月のAUD/JPY(豪ドル円)の過去チャートを使って、
日足
↓
4時間足
↓
30分足
↓
5分足
と順番に分析しました。
今回それぞれの時間足で確認したのは、
日足
→ 大きな方向を確認する
4時間足
→ 押し目になりそうな場所を探す
30分足
→ 反発を考えられる形を確認する
5分足
→ エントリー候補を細かく確認する
という内容です。
ここで一番伝えたいのは、
「複数の時間足を見たからうまくいった」ということではありません。
それぞれの時間足で、
「何を見るのか」
をあらかじめ決めていたことです。
短期足だけを見ていると、少し上がったり下がったりするたびに目線が変わることがあります。
反対に日足だけでは、エントリー位置が大まかすぎる場合があります。
そこで、
大きな流れを見る時間足と、実際にエントリーを考える時間足を分ける。
これが、私がマルチタイムフレーム分析を考えるときの基本です。
今回のAUD/JPYでは、買い候補として見た場所のあとに価格は上昇しました。
しかし、それはあくまで一つの過去チャートの結果です。
同じような形が出ても、次は損切りになるかもしれません。
だから成功した形だけを覚えるのではなく、
「なぜ日足を見たのか」
「なぜ4時間足のこの場所に注目したのか」
「なぜ30分足・5分足まで下げたのか」
を自分の言葉で説明できるようにする。
そのための一つの練習として、今回のような過去チャート検証を活用してみてください。
※本記事は過去チャートを使ったFXの分析・学習例であり、将来の値動きや利益を保証するものではありません。FXには元本を失うリスクがあります。実際の取引は、ご自身の判断と適切な資金管理のもとで行ってください。



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