
『FX戦士くるみちゃん』5巻で大きく印象が変わる人物がいます。
萌智子です。
これまでの萌智子は、どこか冷静で、他人の失敗にも簡単には同情しない人物に見えました。
特にFXで苦しい状況にいる芽吹に対しては、
「そこまで厳しくしなくてもいいのでは?」
と思えるところもあります。
ところが5巻では、萌智子自身の過去が描かれます。
すると、それまで単に冷たく見えていた言動にも、少し違った見方ができるようになります。
5巻は芽吹のFX失敗だけを追う巻ではありません。
困っている友人に手を差し伸べるとは、どういうことなのか。
そんな人間関係まで考えさせられる巻です。
この記事では、『FX戦士くるみちゃん』5巻のあらすじと感想を、ネタバレを含めて紹介します。
※ここから先は5巻の内容に触れています。
『FX戦士くるみちゃん5巻』の基本情報
『FX戦士くるみちゃん』5巻は、2023年7月22日にKADOKAWAから発売されました。
- 原作:でむにゃん
- 作画:炭酸だいすき
- 発売日:2023年7月22日
- 出版社:KADOKAWA
- レーベル:MFコミックス フラッパーシリーズ
- ページ数:164ページ
- 定価:924円(税込)
KADOKAWA公式では、5巻を「FX戦士たちの、それぞれの思惑が錯綜する」巻として紹介しています。
中でも前面に出されているのが、楽して大金持ちになりたかった芽吹に対し、萌智子がかなり厳しく接していることです。
また、5巻では萌智子の過去編も描かれます。電撃オンラインでも、この過去編が5巻の大きな見どころとして取り上げられています。
『FX戦士くるみちゃん5巻』のあらすじ【ネタバレあり】
芽吹は、FXで苦しい状況に追い込まれています。
それでも簡単には相場から離れられません。
そんな芽吹を見ている周囲の人物も、それぞれ違った反応を見せます。
心配する人。
助けようとする人。
そして、かなり厳しい態度を取る萌智子。
公式あらすじでも、芽吹に対する萌智子の厳しさが5巻の中心として紹介されています。
ただ、5巻を読み進めると、萌智子が単に意地悪をしているわけではないことも見えてきます。
彼女自身にも過去があるからです。
なぜ今の萌智子になったのか。
なぜ他人に対して簡単に甘い言葉をかけないのか。
その背景が描かれることで、芽吹との関係にも別の意味が出てきます。
5巻後半では再びくるみの投資にも視点が戻り、登場人物それぞれの立ち位置が少しずつ違ってきます。第三者の巻別レビューでも、前半は萌智子の過去、後半はくるみの投資へ戻る構成として紹介されています。
『FX戦士くるみちゃん5巻』の感想|萌智子の見え方が変わる
萌智子は「冷たい人」だけではなかった
5巻以前の萌智子を見ると、かなりドライな人物に見えます。
他人が感情的になっていても、一緒になって慌てるわけではありません。
芽吹が苦しんでいても、何でも肯定してくれるわけでもない。
そのため、
「友達なのに、なぜそんな態度なのか」
と思う部分があります。
しかし、5巻では彼女の過去が描かれます。
すると、それまでの言動を単なる冷たさだけでは説明しにくくなります。
今の萌智子にも、今の考え方になるまでの過程があった。
そう分かるだけで、人物として一気に厚みが出ます。
だから5巻は、芽吹の話であると同時に、萌智子という人物を理解するための巻でもあります。
なぜ芽吹にもっと優しくしないのか
FXで苦しんでいる友人がいたら、
「大丈夫?」
「何とかしてあげたい」
と思うのは自然です。
しかし、本人が求めているものを与えることが、本当に助けになるとは限りません。
芽吹が求めているのが、
「もう一度FXを続けるための手段」
だった場合はどうでしょうか。
相手の希望を叶えれば、その場では喜ばれるかもしれません。
一方で、それによってさらに深く相場へ入り込む可能性もあります。
逆に、
「もうやめた方がいい」
と厳しく言えば、本人からは冷たく見えるでしょう。
5巻では、この違いが面白いところです。
優しい言葉をかけることと、その人のためになることは必ずしも同じではない。
芽吹と萌智子を見ていると、そんなことまで考えさせられます。
相手を助けることにも限界がある
周囲がどれだけ心配していても、最終的に取引するかどうかを決めるのは本人です。
ここが難しいところです。
「やめた方がいい」
と伝えることはできます。
しかし、本人がまだ相場で取り返せると思っていれば、簡単には届きません。
むしろ、
「自分のことを分かってくれない」
と思われることさえあります。
5巻ではFXそのものだけでなく、
問題を抱えている本人と、その周囲の人がどう関わるのか
という部分まで物語が広がっています。
4巻までは芽吹本人の行動に目が向きやすい展開でした。
5巻では、その芽吹を見ている側にも焦点が当たる。
この変化が大きいです。
萌智子の過去を知っても、すべてが正当化されるわけではない
過去が分かったからといって、
「だから萌智子は全部正しい」
という話ではありません。
ここは分けて考えたいところです。
その人に事情があることと、その人の行動が常に正しいことは別です。
ただ、
「なぜそんな考え方をするのか」
は理解しやすくなります。
5巻の萌智子も同じです。
過去を知る前と後では、同じ言葉や態度でも受け取り方が変わります。
悪役だった人物が実は善人だった、という単純な話ではありません。
厳しいところもある。理解しにくいところもある。それでも、その考え方には背景がある。
この曖昧さが、萌智子という人物を面白くしています。
FX目線で考える5巻|他人の成功や失敗を自分の基準にしない
5巻では、登場人物それぞれのFXとの距離が少しずつ違ってきます。
同じ相場を見ていても、
取るポジションは違う。
資金量も違う。
経験も違う。
当然、結果も同じにはなりません。
ここで気をつけたいのが、
他人の結果をそのまま自分へ当てはめること
です。
友人が利益を出している。
だから自分もできる。
反対に、友人が失敗した。
だから自分も必ず失敗する。
どちらも単純すぎます。
FXでは、それぞれ条件が違います。
重要なのは、
「誰が勝っているか」
より、
自分は何を根拠に、どこまでリスクを取るのか
を考えることです。
5巻で登場人物たちの立ち位置が少しずつ分かれていくところは、この違いを考えるうえでも興味深いです。
「楽して大金持ちになりたい」という目的は判断へ影響する
KADOKAWA公式は、芽吹について「楽して大金持ちになりたかった」と紹介しています。
この言葉はかなり重要です。
同じFXでも、
「長期的に資産を増やしたい」
と、
「できるだけ早く大金持ちになりたい」
では、取引に求めるものが違います。
早く大きく増やしたければ、それだけ大きな利益を狙いたくなります。
その結果、取るリスクまで大きくなる可能性があります。
つまり、
どんな手法を使うか以前に、何を求めて相場へ入っているのか
も重要です。
5巻では、芽吹と萌智子の考え方の違いを見ることで、この部分も浮かび上がってきます。
4巻から6巻へ続く中で見る5巻の役割
4巻では、FXで追い込まれていく芽吹本人の行動が大きく描かれました。
損失を取り返そうとして借金へ進む『FX戦士くるみちゃん4巻』の感想はこちら

5巻では、そこから視点が広がります。
芽吹をどう見るのか。
萌智子はなぜ厳しいのか。
周囲はどう関わるのか。
FXで失敗している本人だけでなく、その周囲の人間関係まで描かれるようになる巻です。
そして6巻では、ここまで続いてきた投資バトルにも一つの結果が出ます。
投資バトルの決着とユロスイへの展開を描く『FX戦士くるみちゃん6巻』の感想はこちら

整理すると、
4巻=芽吹本人がさらに追い込まれる
5巻=萌智子の過去と、芽吹を取り巻く人間関係が見える
6巻=それまでの流れに一つの区切りがつく
という形です。
5巻は4巻と6巻の間を埋めるだけではありません。
人物の背景を掘り下げることで、物語をFXの勝ち負けだけではないところまで広げています。
『FX戦士くるみちゃん5巻』はどんな人におすすめ?
5巻は、特に次のような人に向いています。
- 4巻の続きが気になる人
- 萌智子がなぜ芽吹に厳しいのか知りたい人
- 萌智子の過去が気になる人
- FXだけでなく登場人物同士の関係も楽しみたい人
- 6巻の投資バトル決着へ進む前に人物関係を整理したい人
5巻だけでも読むことはできます。
ただし、芽吹がなぜ現在の状況にいるのかを理解するには、3巻・4巻から続けて読んだ方が分かりやすいでしょう。
特に4巻を読んだ後なら、
「なぜ萌智子はもっと優しくしないのか」
という疑問が出やすくなります。
5巻は、その答えを考える材料が増える巻です。
よくある質問
『FX戦士くるみちゃん』5巻では何が起こりますか?
FXで苦しい状況にいる芽吹と、彼女に厳しく接する萌智子の関係が大きく描かれます。
さらに萌智子の過去編があり、なぜ現在のような考え方になったのかを知る材料が増えます。萌智子の過去編は、発売当時の紹介記事でも5巻の大きな内容として取り上げられています。
5巻では萌智子の過去が描かれますか?
はい。
5巻では萌智子の過去編が描かれます。
原作者のでむにゃん氏も、この過去編について制作に苦労したことを発売時にコメントしており、5巻の重要なパートだったことが分かります。
5巻の中心人物は芽吹ですか?萌智子ですか?
どちらか一人だけとは言いにくい巻です。
公式あらすじでは芽吹と萌智子の関係が前面に出されています。
一方で、萌智子の過去が描かれるため、これまでより萌智子の存在感がかなり大きくなっています。
「芽吹を通して萌智子という人物も深掘りされる巻」
と考えると分かりやすいでしょう。
6巻ではどうなりますか?
6巻では、それまで続いてきたFX投資バトルに一つの結果が出ます。
また、登場人物たちの投資との距離も変わり、物語は次の段階へ進みます。
詳しくは6巻の記事で紹介しています。

まとめ|5巻は「なぜ萌智子は厳しいのか」が見えてくる巻
『FX戦士くるみちゃん』5巻では、FXの勝ち負けだけを追う展開から少し視点が広がります。
芽吹は苦しい状況にいる。
周囲もそれを分かっている。
それでも、全員が同じように接するわけではありません。
特に萌智子は厳しい。
なぜそこまで厳しいのか。
5巻では、その背景を知る材料となる過去が描かれます。
だからこそ、この巻は萌智子の見え方が変わる一冊です。
単に、
「冷たい人だった」
で終わらない。
かといって、
「実は全部正しかった」
という単純な話でもありません。
相手を助けるとは何なのか。
本人が望むことを叶えるのが、本当にその人のためなのか。
FXを題材にしながら、そんな人間関係まで物語が広がっています。
4巻が芽吹本人の苦境を強く描いた巻なら、5巻はその芽吹を取り巻く人たちまで見る巻です。
そして、この人間関係を知ったうえで6巻へ進むと、それぞれがどの道を選ぶのかも分かりやすくなります。
『FX戦士くるみちゃん』全巻の感想・各巻の見どころはこちら

※本記事は漫画作品の感想・考察を目的としています。FX取引や特定の投資行動を推奨するものではありません。FXには元本を超える損失が発生する場合もあるため、実際に取引する際は十分なリスク管理が必要です。



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