
FXのインジケーターで恐らく1番人気の移動平均線、世界中のトレーダーが使っています。
この移動平均線の基本が理解できれば、トレードの幅も広がり勝率も上がっていくでしょう。
今回は移動平均線の基礎から取引手法までをわかりやすく解説していきたいと思います。
移動平均線とは・・・

FX取引の運用手法のひとつに、移動平均線を使った取引手法があります。
実際にマーケットで取引された取引値を平均数値で表し、その平均数値を結んだものです。
一番多く使われていると思われるのが、一つの通貨に3本の移動平均線を表示する方法です。
短基線、中期線、長期線と表示されている方が一番多いと思います。
そして使い方の基本的な考え方は、この線が上昇が続いているなら、「上昇相場」の最中、逆に下降が続いているなら、「下落相場」の最中ということになります。
重要なのは、時価(現在取引されている値段)が、この移動平均線の上にあるか、下にあるかということです。
移動平均線と時価の関係で、今後の値動きを判断するパターンがいくつかあります。
この線が上昇中で、時価が上で取引されている場合は、上昇相場が続いており、買いでエントリーポイントを探していくこととなります。
この線が上昇中で、時価が下で取引されている場合は、上昇相場が終了し下降に転換した可能性を想定しながらエントリーポイントを探していくこととなります。
この線が下降中で、時価が下で取引されている場合は、下降相場が続いており、売りでエントリーポイントを探していくこととなります。
この線が下降中で、時価が上で取引されている場合は、下降相場が終了し上昇に転換した可能性を想定しながらエントリーポイントを探していくこととなります。
最もポピュラーで基本的な手法ではありますが、ゆっくりとしたトレンドを描くことを想定する上では十分に有効な手法であることがメリットです。
移動平均線を使っての買いと売り
ここでは買いと売りのポイントを図でもう少し分かりやすく解説をしていきたいと思います。
買いの場合

移動平均線はトレンドを把握するのに使われ、大変人気のあるインジケーターです。
この移動平均線をみておけば今がレンジ相場なのか、上昇トレンドなのか、下降トレンドなのかがわかりやすくなっております。
そして今回ご紹介するのが、この移動平均線を使用したエントリーとなります。
移動平均線はしっかりとした上昇トレンドもしくは下降トレンドの場合、支持線もしくは抵抗線として機能することがあります。
例えば上記の図、黒線がローソク足、青線が移動平均線とします。
上昇トレンドが形成されている時、赤丸あたりを見てもらうとわかりますが下値の支持線として機能していることが分かると思います。
上昇トレンドの押し目買いをする時に、このタイミングを狙うというのも一つの方法です。
売りの場合

先ほどと逆のパターンです。下降トレンドの時、上記の図のように赤丸が上値抵抗線として機能することがあります。
こういう時は移動平均線あたりで戻り売りを行ってみても良いでしょう。
注意点としては上昇トレンド、下降トレンドと共に短い時間足ですと精度が落ちる点です。
よって長い時間足で見ることをおすすめします。
グランビルの法則
アメリカの理論家であるグランビル、移動平均線と株価の動きから「買い」、「売り」に法則があることを発見しました。
ここではグランビルの法則、買いと売りのそれぞれ4つのパターンをご紹介します。
買いの場合

1つ目は上記の図です。赤線の移動平均線が下降している時に、黒線で示したローソク足が勢いよく上に突き抜ける状況だと買いとなります。

グランビルの法則の2つ目です。
赤線の移動平均線が上昇している時に黒線で示したローソク足が、一度下に落ちたように見えたが移動平均線を割り込まずに反転し上昇した時は買いのサインです。

グランビルの法則3つ目です。
赤線の移動平均線が上昇している時に黒線で示したローソク足が下落して移動平均線を割り込んだが、再び移動平均線を突き抜けて上に行くと買いです。

グランビルの法則の4つ目です。
赤線で示した移動平均線が下に下がっている時に黒線で示したローソク足も下げすぎたため青丸で示したような乖離が生じた場合、ローソク足は移動平均線に戻る可能性の高いことから買いです。
以上がグランビルの法則の買いのパターンの代表的な4つです。
売りの場合

赤線の移動平均線が下降している時に黒線で示したローソク足が下に行き、移動平均線より下に行った時は売りのサインです。

続きまして2つ目のパターンです。
赤線で示した移動平均線が下降している時に、黒線で示したローソク足が一旦移動平均線より上に行くが、再度戻ってきて移動平均線を下回った時は売りです。

さらに続きまして3つ目のパターンです。
これは赤で示した下降している移動平均線を、黒線で示したローソク足が一度上に突き抜けそうになり、突き抜けず、その後下降していった時は売りとなります。

4つ目のパターンです。
こちらは赤線で示した移動平均線が上昇している時に、黒線で示したローソク足も上昇をしていて、青丸のような乖離が起きて、その後落ちてきた時は売りです。
以上がグランビルの法則の売りのパターンの代表的な4つになります。
移動平均線のゴールデンクロスとは・・・?

FXを効率的に行うためには、経済情報をまんべんなくチェックし、今の相場がどのようなトレンドになっているかを分析することが欠かせません。
そして相場のトレンドを掴むために覚えておきたいのが「移動平均線」です。
移動平均線はいくつか組み合わせることで、より効果的な相場の分析ができるようになります。
一般的に多くみられる組み合わせのパターンは、長期線と短期線の組み合わせ、長期線と中期線と短期線の組み合わせです。
しかしそれ以外にも多くの組み合わせが存在し、そのひとつひとつを覚えていたのではFXどころではありません。
まずは比較的有名な組み合わせだけを覚えておくと良いでしょう。
なかでも「ゴールデンクロス」は覚えておくと何かと便利です。
ゴールデンクロスというのは、短期移動平均線のラインが上昇するときに長期移動平均線のラインを突破することです。
このような状態になるのは、短期的に相場が上昇傾向にあるからであり、買い注文をだすのに絶好のタイミングという見方もできます。
また逆のパターンとしては、長期移動平均線のラインを短期移動平均線のラインが横切って下降ラインを描くことがあります。
このような場合はデッドクロスと呼ばれ、売りのチャンスになる場合もあります。
移動平均線のゴールデンクロスは万能か?

移動平均線というシンプルで一番有名かもしれないインジケーターがあります。
移動平均線とは一定の期間の終値の平均を短期戦、中期線、長期線などで表したものです。
この移動平均線は恐らくトレンドのある、なしが一番わかりやすいインジケーターと思われるため世界中のトレーダーが利用しているかと思います。
そしてこの移動平均線を利用した手法として有名なものとしてゴールデンクロスというものがあります。
これは上記の手書きの図に示した通り短期線と中期線、中期線と長期線、もしくは短期線と長期線がクロスした所で買いを行うという手法になります。
上記の図は実際のチャートの一部を図にしたものですが丸い黄色部分でゴールデンクロスをしています。ここで買っておけばいくらか利益が出たものと思われます。
ですがこのゴールデンクロスを信用してクロスした時点で毎回エントリーをしていれば勝ち続けることはできるでしょうか?
実はこれのみでは勝ち続けることはできません。その例として下の図をご覧ください。

ゴールデンクロスでダメなケースは上記のようなレンジの状態の時です。
実際のチャートでレンジの状態をみつけていただき移動平均線を表示させてみてください。
ゴールデンクロスは起こっていても利益が取れていないのがすぐわかるかと思います。
ゴールデンクロスはローソク足よりかなり遅れて表示されるため、ゴールデンクロスが起こった時点でエントリーをしていると遅い場合があります。
それが上記のようなレンジの状態の時です。
このような時はゴールデンクロスを信じてエントリーをしてはいけません。
移動平均線の乖離手法をマスターしよう!

相場は上がりすぎた場合、買いがさらに買いを呼び行き過ぎてしまうことがあります。
それとは逆で下がりすぎた場合、売りが売りを呼んで、これまた行き過ぎることがあります。
その際に移動平均線からあまりにもかけ離れた状況になることがあります。
このことを移動平均線の乖離と呼ばれます。
この乖離は必ず修正されることになりますので、移動平均線からの乖離を見つければエントリーチャンスとなるかもしれません。
まず上の図のAをご覧ください。
赤が移動平均線です。
黒線がローソク足と思ってください。ローソク足が上昇に向かい、その勢いが強いため移動平均線との乖離が起きています。緑の丸の所です。
こうなるとその乖離が修正されることとなります。
その証拠に緑丸のあと相場は移動平均線に近付いてきているのがお分かりかと思います。
次に図のBの説明です。
こちらも赤線が移動平均線、黒線がローソク足とします。
現在下降トレンドでその勢いが強く移動平均線との乖離が起こっています(緑丸の所)
そしてこの乖離は修正されますので、移動平均線に戻っていっています。
このような習性があるということを知って移動平均線の乖離手法をマスターしましょう!
移動平均線の期間はどれが良い?

移動平均線のことで、誰もが一度は抱く疑問がありますね。
何日線が良いか?という内容です。
それについて解説してみたいと思います。
インジケーターで移動平均線、ボリンジャーバンドを使用している方、移動平均線の期間設定ってどうしていますか?
移動平均線の場合、3本表示されている方が多いかと思います。
短期線は、3日線か5日線を利用されているかと思います。
長期線は75日線か、100日線、120日線あたりが多いかと思います。
では中期線、ボリンジャーバンドでもっとも要となる真ん中の線は何日線にしていますでしょうか?
あとSMAとEMAの設定なども気になりますよね。
まずその前に、SMAとEMAの説明です。
SMAはSimple Moving Averageの略で単純移動平均線のことをいいます。
これは単純に自分の設定した数値分を合計し、その数値で割ったものです。
EMAはExponential Moving Averageの略で指数平滑移動平均線のことをいいます。
これは直近の動きに比重を置いたものです。
以上のことからまず上記の写真ですが、これはある期間の移動平均線20日線(青色で示していますがほとんど写りませんでした。赤線の少し上に表示されています。)、21日線(赤)、25日線(ピンク)でSMAでの表示となります。
移動平均線の中期線、ボリンジャーバンドの中央の線は、この3本の線のどれかを使われる方が多いかと思います。
上記の写真を見ると、上昇トレンドを形成している所で、青丸、赤丸は押し目の所になります。
まず青丸の所ですがここでは、ピンクの25日線に反応しているように見えます。
次に赤丸の所、青線の20日線もしくは赤の21日線に反応しているように見えます。

次に上記の図ですが、今度は同じ期間を指数平滑移動平均線(EMA)で表した写真です。
これを見ますとほとんど同じですが、青丸の所ですが先ほどのSMAと同じでピンクの25日線に反応しているよう見えます。
そして赤丸の所は青線の20日線に反応しているように見えます。(こちらの青線も先ほどと同じくほとんど写りませんでした。)
ということで期間設定ですが、20、21、25が代表的な期間だと思いますが、どの期間に設定しても反応する時としない時があるといえます。
SMAとEMAに関しても同じようなことがいえます。SMAでうまく反応してくれる時もあればEMAの時に反応してくれる時もあります。
つまりどれにしても必ず勝てるという期間設定はないということになります。
ただこれを結論にしてしまいますとFX初心者の方は困ってしまうと思います。
よっておすすめの期間は20日のEMAが良いかと思います。
理由としては20、21、25日線の内一番使われているのが20日線だと思われます。(初期設定が20が多いため)
次にSMAとEMAですが直近の動きを重視したほうが、これにも正解はありません。
SMAにきれいに反応する時もあれば、EMAにきれいに反応する時もあります。
さらに違いとして、EMAは直近の動きに敏感に反応するため、ダマシに合いやすいとも言われています。
ですので、最初は20日線、SMAでやってみて慣れたら徐々に自分の使いやすいように変えていってください。
まとめ
以上、移動平均線の期間の設定や、グランビルの法則、ゴールデンクロスなどについての解説でした。ゴールデンクロスにはその逆のデッドクロスというものもあります。
下降トレンドの時の移動平均線のクロスになります。
グランビルの法則などは種類が多いため覚えるのは大変かもしれませんが、基本的な法則になりますので覚えておいたほうが良いでしょう。
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