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【書評】『FX戦士くるみちゃん 4巻』──戦慄と狂気が交差する、金融ホラーの極致


FXや株といった投資ジャンルの中で、これほど“恐怖”を描いた漫画が他にあるでしょうか。

『FX戦士くるみちゃん 4巻』は、もはや単なるギャグや風刺の枠を超え、「人間の金銭欲が招く地獄」を真正面から突きつけているようにも思えてきます。

主人公交代?それでもくるみの存在感は絶大

4巻の冒頭で驚かされるのが、物語の軸が“くるみちゃん”から“芽吹ちゃん”へと完全に移行している点です。

芽吹は大学生。

来年の学費に手を付け、奨学金を毎月FXに突っ込み、クレジットカード、学生ローン、さらには友人・萌智子からの借金200万円までを視野に入れるという、文字通り「奈落への階段」を転げ落ちていきます。

この凄まじい転落ぶりに読者は思わず目を背けたくなりますが、そこに「リアルな恐怖」があるのです。

FXの世界における“負け組あるある”がリアルすぎて、笑えないどころか背筋が凍ります。

「投資は自己責任」では片づけられない闇

4巻で描かれるのは、単なる失敗談ではありません。

芽吹は「投資で人生を変えたい」と願い、その希望を糧に、手元の金が尽きても借金して挑み続けます。

この過程があまりにも生々しく、読んでいて胃が痛くなる人も多いでしょう。

「お金を借りてまでFXをやるな」という教訓は、多くの投資初心者が一度は耳にする言葉ですが、この漫画はそれを圧倒的な説得力と悲劇性で可視化してくれます。

こんな知り合い、現実でいたら距離を置くでしょう。

だからこそフィクションとして読む価値があるのです。

くるみちゃんの“たった一言”が放つ狂気

忘れてはいけないのが、本作のタイトルにもなっている“くるみちゃん”の存在。

出番こそ少ないのですが、彼女が口にする“たった一言”が物語全体の狂気に再点火します。

読者は「この作品のホラー要素はずっとくるみの中にあったのか」と震え上がるはずです。

序盤での明るさや風刺的ギャグの印象はもはや薄れ、4巻では狂気と恐怖が圧倒的に支配しています。

ここまでくると、これは“FXマンガ”ではなく“金融ホラー”と呼ぶべきでしょう。

読後の感想:笑えない。でも目が離せない

4巻を読み終えたあとに残るのは、「怖かった」という率直な感想でした。

リアルすぎて笑えない。けれど、ページをめくる手が止まらない。

自分はこうなりたくない、でももしかしたら……というギリギリの共感があるからこそ、引き込まれてしまうのです。

購入を迷っているあなたへ

もしあなたがFXに興味があるなら、本作は間違いなく“必読”です。

ただの漫画と侮っていると、そのリアルさに打ちのめされるでしょう。

そして、投資に関心がない人にとっても、本作は「金銭感覚が壊れていく人間のドキュメント」として強烈な印象を残します。

今からでも遅くありません。1〜3巻を未読の方は、ぜひ1巻から順に。

そして4巻は、圧倒的な衝撃と共にあなたの心に爪痕を残すはずです。

気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。


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