
メキシコペソ円(MXN/JPY)は、2026年7月に9.39円台まで上昇しました。
「このまま10円を目指すのでは?」
そう思った人もいたかもしれません。
ところが、その後は流れが変わりました。9月に入って下落が進み、9月14日には一時8.99円近辺まで下落。9月16日現在は、およそ9.05~9.07円で推移しています。
実は、以前に書いた前回の記事では、
2026年後半の想定レンジは8.80~9.60円。まず8.80~9.00円付近まで調整したあと、再び上昇する可能性がある
と予測していました。
8.80円までは下がっていませんが、9円前後までの調整については、実際の値動きがかなり近づいてきました。以前の記事では年末9.40円前後への回復を中心シナリオとしていました。
では、ここから本当に反発するのでしょうか。
それとも9円を割り込み、8円台後半へ下落するのでしょうか。
今回はこれまでのAI予測をいったん答え合わせしたうえで、メキシコ銀行の金融政策、日銀の追加利上げ、円キャリートレード、米国とメキシコの通商関係などを整理し、2026年末までのメキシコペソ円を改めてAIで分析します。
なお、この記事のAI予測は統計モデルが将来価格を保証するものではありません。2026年9月16日時点のチャートや金融政策、経済環境などを前提に複数のシナリオを整理したものです。
結論|2026年末までのメキシコペソ円をAIはどう予測した?
先に結論からお伝えします。
今回AIが中心シナリオとして考えたのは、
「9円前後で下値を確認したあと反発する可能性はあるものの、以前予測した9.40円への一直線の回復までは見込みにくい」
という動きです。
| 項目 | 2026年9月16日時点のAI予測 |
|---|---|
| 現在 | 約9.05円 |
| 9~12月の中心レンジ | 8.80~9.35円 |
| 年末の中心レンジ | 8.95~9.30円 |
| 上振れした場合 | 9.40~9.60円 |
| 下振れした場合 | 8.60~8.80円 |
| 特に注目する水準 | 9.00円・8.80円・9.30~9.40円 |
前回の後半予測では、
8.80~9.60円、年末9.40円前後
を中心に考えていました。
今回は年末予測を少し下方修正しています。
理由は、メキシコペソそのものが急激に弱くなったというより、円を取り巻く環境が大きく変化しているからです。
日本では日銀の追加利上げ観測が強く、Reutersは9月16日時点で、現在1.0%の政策金利が1.25%へ引き上げられるとの見方が市場で強まっていると報じています。
反対にメキシコ銀行の政策金利は6.50%です。
金利差は依然として大きいものの、「日本は低金利のまま」という従来の前提が少しずつ変化しています。
したがって、今後は、
「メキシコペソが強いか」
だけではなく、
「円がどこまで強くなるか」
も非常に重要になります。
※この予測は9月16日時点です。9月18日の日銀会合結果を確認後、レンジを再検討します。
2026年9月現在のメキシコペソ円をチャート分析

※参考
- 9.40円 赤線
- 9.20円 黄線
- 9.00円 水色線
- 8.80円 オレンジ線
7月の9.3円台から9円前後まで下落
2026年のメキシコペソ円は、年前半からかなり強い動きを続けました。
以前の記事でも確認したように、2026年7月28日には9.39円台まで上昇しました。
しかし、その後は上昇が止まりました。
9月16日のMXN/JPYは9.05円前後。9月14日には8.9886円まで下落しています。
7月高値から見ると、
「高値を更新し続ける相場」から「9円を守れるかを見る相場」へ
変わってきた印象があります。
私は今、9.40円をいつ取り戻すかよりも、まず9円前後で本当に下げ止まれるのかを確認する方が大切だと考えています。
9円は下値として意識されるのか
8月の記事では、
8.80~9.00円を重要な下値候補
としていました。
実際、9月になってその価格帯まで下落してきました。
9月16日時点の市場データでも、9.00円や8.95円付近には買い注文が比較的多く確認されています。
さらに下では8.80円付近にも買い注文があります。
もっとも、注文状況は短時間で変化するため、これだけを根拠に下げ止まるとは判断できません。
私が注目したいのは、
一度9円を割るかどうかではありません。
9円を割ったあと、
- すぐ戻るのか
- 8.80円へ下落するのか
- 反発して9.20円を回復できるのか
まで確認したいところです。
次に意識したい上値と下値
現時点では、次の価格帯を意識しています。
上方向では、まず9.10~9.20円。
ここを回復できれば、次は9.30円、そして7月高値のある9.40円付近が意識されます。
反対に9円を明確に下回った場合は、以前から注目している8.80円前後が次の重要水準です。
8.80円まで割り込むようなら、
「上昇途中の押し目」
というこれまでの見方を、一度見直した方がよいと思います。
私は一つの通貨ペアだけを見るのではなく、後述するUSD/MXNやUSD/JPYなども合わせて確認したいと考えています。
複数チャートや時間足を使った分析環境については、FXTFのMT4をチャート分析目線で解説した記事も参考にしてください。

今後のメキシコペソ円を左右する3つの材料
チャートだけを見ると、
「9円だから安くなった」
と考えたくなるかもしれません。
しかし、今のメキシコペソ円は金融政策や円の動きをかなり強く受けています。
ここでは特に重要だと考える3つの材料を確認します。
メキシコ側|高金利はまだペソを支えるのか
メキシコ銀行の政策金利は現在6.50%です。
2026年3月と5月にはそれぞれ0.25%の利下げが行われましたが、6月25日と8月6日の会合では6.50%で据え置かれています。
以前の年間予測では、
「2026年はメキシコの利下げが進む」
という前提をかなり強く置いていました。
ところが、現時点ではそこまで単純ではありません。
メキシコの8月の消費者物価上昇率は前年比3.26%と、7月の3.12%から上昇しました。
一方、コアインフレ率は3.95%から3.88%へ鈍化しています。
Reutersによると、メキシコ銀行内では短期的な追加利下げに慎重な見方も出ています。
つまり、
「利下げがどんどん進んで金利差が急速に縮む」
という状況ではありません。
6.50%という金利水準は、依然としてペソを支える材料の一つです。
ただし、
高金利=メキシコペソ円が必ず上昇する
ではありません。
今年の値動きを見ても、ここを混同しない方がよいでしょう。
円側|日銀利上げとキャリートレード巻き戻し
私は今回、こちらの方をより重要だと考えています。
日銀の次回金融政策決定会合は9月17~18日です。
Reutersが9月16日に報じたところでは、市場では日銀が政策金利を現在の1.0%から1.25%へ引き上げるとの予想が強まっています。
なぜこれがメキシコペソ円に関係するのでしょうか。
メキシコペソは高金利通貨です。
一方、日本円は長い間、非常に低い金利の通貨でした。
そのため、
低金利の円で資金を調達する
↓
高金利通貨へ投資する
という「円キャリートレード」が行われやすい環境でした。
ところが、日本の金利が上がり円高が進むと、この取引の魅力が下がります。
実際、9月には円が高金利通貨に対して上昇し、キャリートレードの巻き戻しが意識されています。
メキシコペソそのものが強くても、
それ以上に円が強くなればMXN/JPYは下がります。
今回9円前後まで下落したメキシコペソ円を見るうえで、ここは非常に重要です。
メキシコペソ円でも円側の動きは非常に重要です。今後のドル円については、こちらの記事で別に詳しく分析しています。

米墨関係|通商交渉はメキシコペソに追い風か
もう一つ無視できないのが、米国との関係です。
メキシコ経済は米国との結びつきが非常に強いため、米国との貿易環境はペソにも影響します。
現在、米国とメキシコは11月の米中間選挙を前に、二国間の通商合意に向けた交渉を進めています。自動車に課されている25%関税の扱いや、北米産部品の比率などが論点になっています。
合意が進めば、企業の先行き不安が和らぎ、メキシコ経済やペソには追い風になり得ます。
反対に交渉が難航し、関税リスクが再び高まれば、ペソにとってマイナス材料です。
しかもメキシコへの新規海外投資には、USMCAを巡る不透明感の影響も出ています。
したがって、
「ニアショアリングがあるからメキシコ経済は安泰」
と単純に考えるのも危険です。
メキシコペソが弱いからMXN/JPYが下がっているわけではない
ここは今回のリライトでぜひ加えておきたい考え方です。
MXN/JPYが下落すると、
「メキシコペソが売られている」
と思ってしまいがちです。
しかし、それだけではありません。
2026年8月にはメキシコペソは対ドルで1ドル=17ペソを超える水準まで上昇し、「スーパー・ペソ」と呼ばれるほどの強さを見せました。高い金利やドル安、製造業投資などが支えになってきました。
9月16日時点のUSD/MXNも17.15前後です。
ですから、
MXN/JPYが下落=メキシコペソそのものが大幅に弱い
とは限りません。
私はメキシコペソ円を見るとき、
MXN/JPY
だけでなく、
USD/MXN
と
USD/JPY
も確認した方が分かりやすいと思っています。
USD/MXNが下落しているのにMXN/JPYが下落しているなら、
「ペソ安」というより「円高」の影響が大きい可能性があります。
これは今回の相場を見るうえで、かなり重要なポイントです。
AIが予測する2026年9月~12月のメキシコペソ円
では、ここまでの材料をもとに2026年末までを考えてみます。
私は以前のように、
「高金利だから年末に9.40円へ戻る」
と単純には考えません。
円側の変化がかなり大きくなっているためです。
9月|まず9円を維持できるか
9月の最大の焦点は日銀会合です。
現時点では9.00円前後が重要な攻防になっています。
日銀が市場予想どおり利上げし、さらに今後の追加利上げに積極的な姿勢を見せれば、円高が進み、MXN/JPYが再び9円を割り込む可能性があります。
その場合は、
8.80~8.90円
が次の候補です。
一方、利上げがすでに相場へかなり織り込まれていたり、日銀が今後の利上げに慎重な姿勢を示したりすれば、9円付近から反発する展開も考えられます。
9月については、
8.80~9.20円程度
を中心に見ておきたいと思います。
10~11月|金利差と米墨関係に注目
10~11月は、メキシコ銀行と日銀の金融政策に加えて、米墨の通商交渉も重要になります。
メキシコの政策金利が6.50%近辺で維持され、日銀の利上げペースが緩やかなら、金利差はまだかなり残ります。
その場合、8円台後半では再びペソ買いが入りやすくなり、
9.10~9.30円
へ戻す可能性があります。
反対に、日銀の追加利上げ観測がさらに強まり、円キャリーの巻き戻しが続けば、9円台前半で上値を抑えられる展開も考えられます。
12月|年末の想定レンジ
現時点でAIが考える2026年末の中心レンジは、
8.95~9.30円
です。
8月時点では年末9.40円前後を予測していましたが、今回は少し下げました。
ただし、メキシコペソ自体は依然として弱いわけではありません。
そのため私は、
8円台へ一方的に下落する
という予測も現段階では中心に置いていません。
ペソの強さと円高圧力がぶつかり、
9円前後を中心とした値動きになりやすい
というのが現在の見方です。
2026年末までのメキシコペソ円を3つのシナリオで考える
為替相場を一つの価格だけで予測するのは難しいため、私は3つのシナリオで考えます。
強気シナリオ|9.40円以上へ再上昇
メキシコ銀行が高い政策金利を維持し、日銀の利上げが市場予想ほど進まず、米国との通商交渉も改善した場合です。
この場合は9.30円を突破し、再び7月高値の9.40円付近を試す可能性があります。
9.40円を明確に抜ければ、
9.50~9.60円
も視野に入ります。
ただし、以前のようにこれを中心シナリオとはしません。
中立シナリオ|9円前後を中心にもみ合う
現在もっとも想定しやすいのは、
8.80~9.35円程度
で上下するケースです。
メキシコの高金利が下値を支える一方、日銀の金融正常化が上値を抑える。
私は今の相場を、この綱引きとして見るのが一番自然だと考えています。
弱気シナリオ|8円台後半を割り込む
注意したいのは、
- 日銀が予想以上に利上げへ積極的になる
- メキシコ銀行が再び利下げを進める
- 米墨関係が悪化する
- 世界的にリスク回避が強まる
といった状況です。
特に8.80円を週足などで明確に下回るようなら、これまで続いてきた上昇基調を見直す必要があります。
その場合は、
8.60円前後
まで調整が広がるケースも想定しておきたいと思います。
以前のAI予測を答え合わせ|何が当たり、何が外れた?
AI予測記事を書くなら、新しい予測だけを出して以前の内容を消してしまうより、答え合わせをした方がよいと思っています。
これまでの予測を振り返ると、次のようになります。
| 予測時点 | 当時の予測 | その後 | 振り返り |
|---|---|---|---|
| 2026年年間予測 | 7.50~9.80円、中心8.60円 | 9円台まで上昇 | 中心値は弱気すぎた |
| 8月の後半予測 | 8.80~9.60円 | 9月に9円付近まで下落 | 下値予測に近づいた |
| 8月の年末予測 | 9.40円前後 | 未確定 | 今回9月時点で下方修正 |
元の年間記事では2026年を「高値圏でもみ合うか、緩やかな下落」と予測し、中心値を8.60円としていました。
実際には7月に9.39円台まで上昇しており、この予測はかなり弱気でした。
年間予測が弱気すぎた理由
一番大きかったのは、メキシコペソが想定以上に強かったことです。
当初は、
「メキシコ利下げ」
+
「日本利上げ」
による金利差縮小を強く見ていました。
しかしメキシコの政策金利は6.50%で据え置かれ、ペソそのものも対ドルで強い状態が続きました。
予測を作る時点で方向性が合っていても、
「どの程度まで動くのか」
を正確に読むのは難しいことが分かります。
8.80~9.00円の調整予測をどう評価する?
8月の記事では、
8.80~9.00円まで下落してから反発する可能性
を考えていました。
9月14日には8.99円近辺まで下落したため、「9円近辺への調整」という点ではかなり近い動きになっています。
ただし、
「その後9.40円へ戻る」
という後半部分はまだ確認できていません。
むしろ今回の円高を考えると、この部分は以前より慎重に見た方がよいと判断しました。
メキシコペソ円を見るときに私が気をつけたい3つのこと
スワップだけを見て買わない
メキシコペソ円の魅力として、スワップポイントがよく挙げられます。
ただし、スワップを受け取っても、それ以上に為替レートが下落すれば損失になる可能性があります。
私は、
「高金利だから長期間持っていれば大丈夫」
とは考えないようにしています。
高金利はあくまで材料の一つです。
9円を割ったから「安い」と決めつけない
9.40円から9円まで下がると、
「かなり安くなった」
ように感じます。
しかし相場では、
下がったから安い
と
下げ止まった
は別です。
9円を割ったあと8.80円へ下がる可能性もあります。
私なら価格だけを見るのではなく、反発する動きまで確認したいところです。
MXN/JPYだけで判断しない
今回、私が改めて重要だと感じている部分です。
MXN/JPYだけを見ていると、
「メキシコペソが弱いから下がっている」
と考えてしまいます。
しかし、
USD/MXN
USD/JPY
まで確認すると、
ペソが弱いのか、それとも円が強いのか
を分けて考えやすくなります。
AI予測を見た私の考え
以前の予測では、私はメキシコと日本の大きな金利差をかなり重視していました。
もちろん、今でも金利差は重要です。
メキシコ6.50%に対して日本は1.0%で、現時点では依然として大きな差があります。
ただ、今回の値動きを見ていると、
「ペソが強い」ことと「メキシコペソ円が上がる」ことは同じではない
と改めて感じます。
ペソが対ドルで強くても、それ以上に円が強くなればMXN/JPYは下がります。
高金利だから買う。
9円まで下がったから買う。
そのように一つの理由だけで判断するより、
メキシコ側と日本側の両方を見る
ことが大切だと思います。
私自身、今後は「どこまで上がるか」より、
9円前後で本当に下げ止まれるのか
をまず確認したいです。
メキシコペソ円の今後についてよくある質問
2026年末に9.50円を超える可能性はありますか?
可能性はありますが、現在の中心シナリオにはしていません。
9.50円を目指すには、9.20~9.30円を回復したうえで、7月高値の9.40円付近を明確に突破する必要があります。
メキシコの高金利維持や米墨関係の改善、円高の一服などが重なれば上振れシナリオとして考えられます。
日銀が利上げするとメキシコペソ円は必ず下がりますか?
必ずではありません。
市場がすでに利上げを織り込んでいれば、利上げが発表されても円高にならないことがあります。
政策金利そのものだけでなく、
今後も利上げするのかという日銀の姿勢
の方が重要になることもあります。
スワップ目的でメキシコペソ円を買うのはどうですか?
スワップポイントはメキシコペソ円の魅力の一つですが、それだけを理由に判断するのは注意が必要です。
為替差損がスワップ収益を上回る可能性があります。
スワップ、為替レート、レバレッジ、保有期間を分けて考える必要があります。
まとめ|メキシコペソが強くても円高には注意
2026年9月16日時点のメキシコペソ円は9.05円前後まで下落しています。
8月に予測した、
「8.80~9.00円付近までの調整」
にはかなり近づきました。
ただし、そこから年末9.40円へ戻るという以前の予測については、円を取り巻く環境が変わったため、少し慎重に見直しています。
今回AIが考えた年末までの中心レンジは、
8.80~9.35円程度。
年末については、
8.95~9.30円
を中心に考えています。
メキシコでは政策金利6.50%が維持されており、ペソ自体も対ドルでは比較的強い状態です。
一方、日本では9月17~18日の日銀会合を控え、追加利上げ観測が強まっています。
だからこそ私は、
「高金利だから上がる」と考えるより、ペソの強さと円の強さの両方を見る
ことが大切だと思っています。
まず注目したいのは9円です。
そして9円を割った場合は8.80円。
反対に反発した場合は9.20円、9.30~9.40円を確認していきたいところです。
※本記事は2026年9月16日時点の公開情報とチャートをもとに、AIによる分析結果を筆者が整理・考察したものです。将来の値動きや利益を保証するものではありません。投資判断はご自身の判断で行ってください。



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