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【書評】『FX戦士くるみちゃん』7巻――スイスフランショックが全てを変えた“絶望とリアル”の巻


一瞬で1億円マイナス!?

FXをやっている、あるいは過去にやっていた人間なら、7巻の描写には震えるはずです。

ついに描かれた2015年1月15日・スイスフランショック

為替相場がまるで壊れたように動き、「そんなバカな」が現実に起きてしまう――それをくるみちゃんは、真正面から食らってしまいます。

チャートは急落、口座残高はあっという間にマイナス1億円超え

目を疑うような金額ですが、これは誇張ではなく「本当にあった話」です。

実際、あの日を境に破産した個人投資家やFX会社も存在しました。

くるみちゃんの“積み上げ”と“崩壊”が胸を打つ

この巻では、これまで地道に積み重ねてきたくるみちゃんの「努力」「信念」「根拠ある戦略」が、まるで意味をなさない瞬間が描かれます。

たった一撃。

たった数分の出来事で、何年もかけて積み上げてきたものが一気に崩れる。

その理不尽さと虚無感は、読み手にも強烈に伝わってきて、正直、鳥肌が立ちました。

相場の世界は本当に甘くない。だからこそ面白いし、怖い。

キャラクターたちの変化も見逃せない

くるみちゃんだけでなく、他の登場人物たちにも変化が見られます。

たとえば、意外にも“萌智子”がほんの少しだけ「いい子」に見える描写があったり、どこか達観してしまったような雰囲気が流れていたり。

そして謎の投資バトルで、まさかのやす子が勝利する展開も、ちょっと笑ってしまいました。

けれど、その“勝ち”さえも空しく思えるのは、くるみちゃんの大損失があまりに大きすぎるから。

「チャート演出」が凄まじい

7巻では、スイスフランのチャートの描き方が異常なまでにリアルで、しかも大胆です。

ページをめくるたびに落ちていく価格帯、横読みではなく縦に落ちていくようなチャート構成は、まさに紙面の限界を突破した演出。

それだけでこの巻を手に取る価値があると言っても過言ではありません。

作者の本気度がひしひしと伝わってきました。

「FXって簡単!」に見えるのが皮肉

FX初心者が読むと「FXで勝ち続ければ借金返せる! 簡単! 最高!」と思ってしまうかもしれません。

でもこの巻は、むしろその裏側を冷酷に、そしてユーモアを交えて描いています。

だからこそ、笑いながらも背筋が冷たくなる。

FXのリアル、破壊力、そして運とメンタルの勝負だということが、この巻からひしひしと伝わってきます。

読後の感想と購入を迷っている方へ

7巻を読んだあとは、心にざらついたものが残ります。

くるみちゃんに感情移入している人ほど、あの下落と共に心まで沈んでしまうのではないでしょうか。

でも、これは“ただの萌え4コマ”では終わらない金融の教訓書です。

FXを知らない人にも、相場の恐ろしさと面白さを知るきっかけになると思います。

まだ読んでいない方は、ぜひ1巻からでも、7巻からでも手に取ってください。

特に7巻は、本作の大きなターニングポイント

読まないと、この先の展開がわからなくなりますし、何より強烈なインパクトで“忘れられない一冊”になるはずです。


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