
FXのチャートを眺めていると、「なんで今、急に動いたんだ?」と戸惑うことがありますよね。
その「なぜ」の答えの多くは、各国の経済状況、つまりファンダメンタルズに隠されています。
とはいえ、難しく考える必要はありません。
為替というのは、要するにその国の「景気の良さ」を映し出すスコアのようなものです。
投資家たちが何を基準にその国にお金を預けるか。その判断基準となる5つのポイントを整理しました。
そもそも、なぜ数字一つで相場が跳ねるのか
通貨の価値は、その国が「今、元気かどうか」で決まります。
みんなが「この国はこれからもっと良くなるな」と思えば、その国の通貨は買われて高くなります。
逆に「ちょっと怪しいな」と思えば売られます。
経済指標というのは、いわば国の「健康診断の結果」です。
その結果が事前に予想されていたものより良かったり悪かったりすることで、世界中の投資家が一斉に動き出し、それが大きな波となってチャートに現れるわけです。
その国の稼ぐ力を見る「GDP(国内総生産)」
まずは、その国がどれだけ稼いでいるかを知るための「GDP」です。
これは、一定期間に国内でどれだけのモノやサービスが新しく生み出されたか、その合計金額のこと。「国の経済のデカさ」と言い換えてもいいでしょう。
前よりも数字が伸びていれば、その国は順調に成長している証拠です。
投資家たちは「この国は儲かっているから、通貨を持っておこう」と考え、買いが入りやすくなります。
国の体力を知る上で、これ以上に分かりやすい指標はありません。
お金の「レンタル料」を決める「金利(政策金利)」
為替相場に最も強烈なインパクトを与えるのが「金利」です。
お金を貸し借りするときの利息のことですが、これが高いほど、その国の通貨は「持っているだけで得をする」魅力的な存在になります。
例えば、金利が0%の国の通貨と、5%の国の通貨があれば、誰だって5%の方を持ちたいですよね。
この金利の差が、膨大な資金を動かす原動力になります。
景気が良すぎると物価を抑えるために金利が上がり、逆に景気が悪いと刺激するために金利が下がる。このサイクルを追うのがFXの基本です。
物価の上がり方を示す「インフレ率」
「インフレ率」は、去年と比べてモノの値段がどれくらい上がったかを示す数字です。
「物価が上がる」と聞くと生活が大変そうに思えますが、適度な上昇は「経済が回っている証拠」として歓迎されます。
投資家がこの数字を注視するのは、先ほどの「金利」とセットで動くからです。
物価が上がりすぎると、中央銀行はブレーキをかけるために金利を上げようとします。
つまり、「インフレ率が上がってきた=近いうちに金利が上がるかも?」という連想ゲームから、先回りして通貨が買われることがよくあります。
私たちの生活実感を映す「CPI(消費者物価指数)」
インフレ率を算出するための最も身近なデータが、この「CPI」です。
私たちが普段買う食料品や電気代、サービスなどの価格がどう変わったかを集計したものです。
中央銀行が金利を決める際、最も頼りにするのがこの数字。
そのため、発表される瞬間は世界中のトレーダーが固唾を飲んで見守ります。
予想から少しでもズレると相場が激しく上下することもあり、短期間で大きなトレンドを作るきっかけになる非常に「熱い」指標です。
通貨のリアルな需要がわかる「貿易収支」
最後は、海外との商売の勝ち負けを示す「貿易収支」です。
輸出した額から輸入した額を引いたもので、いわばその国の「家計簿」の余り(黒字)か赤字か、ということ。
貿易黒字の国は、海外にモノを売った代金としてその国の通貨を受け取るため、実社会の中で「その通貨が買われる」という確かな需要が生まれます。
投資目的の売り買いだけでなく、実際のビジネスでどれだけその通貨が必要とされているか。
その根本的なパワーバランスを知るために欠かせません。
おわりに:数字はつながっている
今回紹介した5つの数字は、それぞれバラバラに存在しているわけではありません。
GDPで経済の勢いを確認し、CPIで物価の過熱ぶりを測り、それを見た中央銀行が金利をどう動かすか予想する……。
こうやって「点」と「点」をつないでいくのが、ファンダメンタルズ分析の醍醐味です。
チャートの形(テクニカル)だけでなく、その裏側にある「数字の正体」を少し意識するだけで、相場の見え方はガラリと変わるはずですよ。


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