
「新NISAを始めてから資産が順調に増えている。」
そう感じている方は多いのではないでしょうか。
特にS&P500やオルカン(全世界株式)に積立投資をしていると、評価額が右肩上がりになり、「始めて良かった」と実感している人も少なくありません。
私自身も投資を続けていますが、口座を見るたびに含み益が増えていると、やはりうれしい気持ちになります。
ですが、ある日ふとこんな疑問が浮かびました。
「この利益、本当に投資がうまくいった結果なのだろうか?」
2026年、ドル円は一時159円台まで円安が進みました。(7月には162円台)
この歴史的な円安は、海外資産を保有している人にとって追い風になる一方で、見落とされがちなリスクも抱えています。
実際、「評価額は増えているのに生活は楽にならない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、
- 円安が新NISAに与える影響
- 円安で得をすること・損をすること
- 円高になったときに起こるリスク
- 円安でも積立投資を続けるべき理由
について、FP2級の知識と実際の投資経験を交えながら分かりやすく解説します。
結論からお伝えすると、
円安だからといって新NISAをやめる必要はありません。
ただし、「含み益=資産が増えた」と考えてしまうのは少し危険です。
まずは、その理由から見ていきましょう。
結論|円安でも新NISAは続けるべき。ただし「利益の正体」は理解しておこう
最初に私の考えをお伝えします。
円安は新NISAにとってメリットもあればデメリットもあります。
しかし、長期投資という視点で考えるなら、円安だから積立を止める必要はありません。
むしろ相場に合わせて積立を止めたり始めたりする方が、長期的には失敗する可能性が高いと考えています。
一方で、多くの人が勘違いしやすいのが、
「評価額が増えた=投資が成功した」
と思い込んでしまうことです。
例えば米国株が全く値上がりしていなくても、円安が進めば日本円での評価額は増えます。
つまり、
「株価が上がったから利益が出た」のではなく、「円の価値が下がったから数字が増えている」
というケースもあるのです。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、利益の理由を正しく理解しておくことが、これからの資産運用では非常に重要になります。
円安になると新NISAはどうなる?
では実際に、円安になると新NISAにはどのような影響があるのでしょうか。
海外株式へ投資する投資信託は、最終的に日本円へ換算されます。
そのため、
ドル建ての資産価格 × 為替レート
で評価額が決まります。
例えば、米国株の価格が全く変わらなかったとしても、
- 1ドル130円
- 1ドル159円
では、日本円で表示される評価額は大きく変わります。
つまり円安になるだけで、保有資産は増えたように見えるのです。
これが、
「円安になると新NISAは有利」
と言われる理由です。
ですが、この話には続きがあります。
円安は確かに資産を押し上げます。
しかし同時に、新たに積立をしている人にとっては、別の問題も発生します。
円安最大のデメリットは「高く買っている」こと
私が最も気になっているのは、この点です。
毎月5万円を積み立てている人を例に考えてみます。
| ドル円 | 5万円で購入できるドル |
|---|---|
| 130円 | 約384ドル |
| 145円 | 約344ドル |
| 159円 | 約314ドル |
こうして比べると分かりますが、
同じ5万円でも、円安になるほど購入できるドルは減っていきます。
つまり、
円安になるほど「高い価格で買っている」状態
になるわけです。
積立投資は長く続けることが大切ですが、
「今は円安だから買う量が減っている」
という事実は知っておいた方がいいでしょう。
私も積立を続けていますが、159円近い水準を見ると、
「もう少し円高だったら、同じ金額でもっと多く買えるのにな」
と思うことがあります。
もちろん、それでも積立を止めようとは考えていません。
なぜなら、未来の為替は誰にも予測できないからです。
含み益が増えても安心できない理由
もう一つ知っておきたいのが、
「含み益」と「生活の豊かさ」は必ずしも一致しない
ということです。
円安になると、
- 電気代
- ガソリン代
- 食料品
- 日用品
など、多くの商品価格が上がりやすくなります。
つまり、
投資口座では資産が増えていても、
現実の生活では出費が増えていることも珍しくありません。
例えば資産が10%増えたとしても、
物価が同じように上昇してしまえば、
実際の生活はそれほど豊かになっていない可能性があります。
これは私自身も日々感じています。
スーパーへ買い物に行くたび、
「また値上がりしているな」
と思うことが本当に増えました。
投資口座の数字だけを見ていると気付きませんが、
私たちが毎日使っているお金の価値そのものが変わっているのです。
だからこそ、
「含み益が増えたから安心」
ではなく、
「円安が自分の資産全体にどう影響しているのか」
まで考えることが大切だと思います。
円安でも新NISAを続けるべき理由
ここまで読むと、
「それなら円安の今は積立を止めた方がいいのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
ですが、私はそうは考えていません。
長期投資で一番難しいのは、
「相場を予想しようとすること」
だからです。
今が159円だからといって、
来年130円になる保証はありません。
逆に170円になる可能性だってあります。
私自身もFXを長く続けていますが、
相場を完璧に当て続けることは不可能だと痛感しています。
だからこそ新NISAでは、
「為替を当てにいく」のではなく、
時間を味方につける積立投資を続けることが重要だと考えています。
円安の時期は買える口数が減ります。
しかし将来、円高になれば同じ金額でより多くの口数を購入できます。
このように高い時も安い時も買い続けることで、購入価格を平準化していくのが積立投資の大きな強みです。
短期的な為替に振り回されるよりも、長期的な視点で資産を積み上げていくことが、新NISAを成功させる近道ではないでしょうか。
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円高になったら新NISAはどうなる?
ここまで円安の影響についてお話ししてきましたが、反対に円高になった場合はどうなるのでしょうか。
実は私が一番気を付けたいと思っているのが、この「円高への揺り戻し」です。
為替は一方向に動き続けるものではありません。
過去を振り返っても、
- 1ドル75円台
- 1ドル100円前後
- 1ドル130円前後
と、大きく円高へ動いた時期が何度もありました。
現在は159円前後という歴史的な円安水準ですが、この状態が永遠に続くとは誰にも言えません。
例えば、
- FRBが想定より早く利下げを始める
- 日銀が追加利上げを実施する
- 日本政府・日銀が為替介入を行う
- 世界的な景気後退で円が買われる
こうした出来事が重なれば、一気に円高へ動く可能性もあります。
もし米国株が横ばいだったとしても、
ドル円が159円から130円へ戻れば、日本円で見た資産価値は大きく下がります。
これは株価が下落したわけではなく、「為替」の影響だけで評価額が減るということです。
投資を始めたばかりの頃は、どうしても株価ばかり気にしてしまいます。
ですが海外資産へ投資する以上、「為替もリターンの一部」であることは忘れてはいけません。
「米国株安」と「円高」が同時に起きるリスク
私が最も警戒しているのは、このケースです。
例えば、
- 米国株が20%下落する
- 同時に円高が進む
この2つが重なると、資産は想像以上のスピードで減少します。
実際、過去の相場でも株安と円高が同時に起きたことは何度もあります。
もちろん、こうした局面は長くは続かないことが多いです。
ですが、評価額が短期間で大きく減ると、多くの人は冷静ではいられません。
私自身も投資を始めた頃は、評価額が大きく下がるたびに不安になった経験があります。
「このまま持ち続けて大丈夫なのだろうか。」
そんな気持ちになったことは、一度や二度ではありません。
しかし今振り返ると、あの時に売らなくて本当に良かったと思っています。
投資では、暴落そのものよりも「焦って売ってしまうこと」の方が大きな損失につながることが多いからです。
円安だから積立を止めるべき?
私の答えは、
「いいえ」です。
円安だからといって積立を止める必要はありません。
もちろん、今は以前より少ない口数しか買えません。
それは事実です。
しかし、将来円高になれば、その時は今より多くの口数を買えるようになります。
積立投資の強みは、
高い時も買い、
安い時も買い、
長い時間をかけて平均購入価格をならしていくことです。
いわゆるドル・コスト平均法ですね。
未来の為替を正確に当てることは、プロでも難しいと言われています。
だからこそ、
「今は円安だから休もう」
「円高になったら再開しよう」
とタイミングを狙うよりも、一定額をコツコツ積み立てる方が、結果的に良い成績につながるケースは少なくありません。
私自身も為替相場を毎日のように見ていますが、それでも数年後のドル円を正確に当てる自信はありません。
だからこそ、新NISAでは相場を予想するよりも、「積立を続ける仕組み」を信じています。
円安時代に私が意識している3つのこと
現在のような円安局面で、私が特に意識していることがあります。
① 含み益だけを見て安心しない
評価額が増えていると、どうしても気持ちが大きくなります。
ですが、その利益が
- 株価によるものなのか
- 為替によるものなのか
は一度冷静に確認するようにしています。
数字だけを見て喜び過ぎないことも大切だと思っています。
② 毎月の積立は変えない
相場が良くても悪くても、積立額は基本的に変えません。
投資を始めた頃は、
「今は高そうだから少し待とう」
と思ったこともありました。
ですが結局、待っている間にさらに上昇してしまうことも多く、タイミングを読む難しさを何度も経験しました。
だから今は、機械的に積み立てるようにしています。
③ 円だけに資産を集中させない
円安が続くと、日本円だけで資産を持つことのリスクも感じます。
海外資産を保有することは、円安に対する備えという意味でも大きな役割があります。
「円だけ」
「ドルだけ」
ではなく、資産を分散させることが大切だと考えています。
よくある質問(FAQ)
Q. 円安の今から新NISAを始めても遅いですか?
遅くありません。
確かに今は円安の影響で購入できる口数は減っています。
しかし、長期投資では10年、20年という時間をかけて積み立てることが前提です。
最初の為替だけで投資成果が決まるわけではありません。
Q. 円高になるまで待った方がいいですか?
私はおすすめしません。
円高になるタイミングを正確に予測することは非常に難しいからです。
待っている間に株価が上昇してしまう可能性もあります。
Q. 円安は悪いことばかりですか?
いいえ。
海外資産を保有している人にとっては評価額が増えやすいというメリットがあります。
一方で、新たに積み立てる人は高い為替で買うことになるというデメリットもあります。
大切なのは、メリットとデメリットの両方を理解したうえで投資を続けることです。
まとめ
新NISAにおける円安は、一見すると資産が順調に増えているように見えます。
しかし、その利益の中には為替による影響も大きく含まれています。
今回の内容をまとめると、
- 円安になると海外資産の評価額は増えやすい
- その一方で、同じ金額で購入できる口数は減る
- 将来円高になれば評価額が下がる可能性もある
- 株価だけでなく為替にも目を向けることが大切
- 円安だからといって積立を止める必要はない
- 長期投資では相場を読むより、続けることが重要
私自身、投資を始めた頃は「資産が増えた」「減った」という数字ばかりを見ていました。
ですが、投資を続けるうちに、その背景にある株価や為替、金利などを考えるようになり、以前より落ち着いて相場を見られるようになった気がします。
新NISAは短期間で大きく利益を狙う制度ではありません。
10年後、20年後の資産形成を支える制度です。
だからこそ、一時的な円安や円高に振り回されるのではなく、その仕組みを理解したうえで、焦らずコツコツ積み立てを続けることが、将来の資産を育てる一番の近道ではないでしょうか。


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