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【書評】『FX戦士くるみちゃん』7巻――スイスフランショックが全てを変えた“絶望とリアル”の巻


『FX戦士くるみちゃん』という作品は、単なる“投資マンガ”ではありません。

読めば読むほど、「これはフィクションの形をした現実だ」と思い知らされる作品です。

そして第7巻は、その中でも間違いなくシリーズ屈指の衝撃回と言っていいでしょう。

今回描かれるのは、多くのトレーダーにトラウマを残した歴史的事件――スイスフランショック。
軽い気持ちで読んでいると、確実に心をえぐられます。

スイスフランショックとは何だったのか

本巻の中心となるのは、2015年に実際に起きたスイスフランショックです。

スイス国立銀行が突如ユーロとの為替上限を撤廃したことで、相場は一瞬にして大暴騰。

多くのトレーダーがロスカットすら間に合わず、壊滅的な損失を被りました。

作中では、この出来事がただの「ニュース」としてではなく、“当事者の地獄”として描かれます。

チャートが跳ね上がるあの一瞬。

画面を見つめるしかできない無力感。

そして、気づいたときには取り返しのつかない損失。

その一連の流れが、あまりにもリアルに、そして容赦なく描かれています。

くるみちゃん、ついに取り返しのつかない領域へ

これまで危うい橋を渡り続けてきたくるみちゃんですが、第7巻ではついに“限界”を超えます。

被害額は、まさかの1億円規模。

正直、数字だけ見ると現実感がありません。

しかし、この作品はそこを曖昧にしない。

損失の重さを、精神的な崩壊として丁寧に描いてきます。

「まだ戻るかもしれない」
「ここで損切りしたら負けだ」

そんな、トレーダーなら一度は抱いたことのある感情が、じわじわと彼女を追い詰めていく。

そして気づけば、もう引き返せないところまで来ている。

読んでいて、「やめろ、逃げろ」と何度も思うのに、それでも止まらない。

このどうしようもなさが、本作の恐ろしさです。

“慣れ”と“油断”がすべてを壊す

今回特に強く感じたのは、「慣れ」がどれだけ危険かということです。

くるみちゃんはこれまでの経験から、相場に対する“自信”を少しずつ積み上げてきました。

しかしその自信は、いつの間にか「過信」に変わっていた。

レバレッジの高さにも慣れ、損失にも鈍感になり、気づけばリスク感覚が麻痺している。

これは決して漫画の中だけの話ではありません。

実際のトレードでも、最も危険なのは「負けているとき」ではなく、「少し勝って慣れてきたとき」だと言われます。

本巻は、その典型例をこれ以上ないほど強烈に突きつけてきます。

FXは投資か、それともギャンブルか

この作品を読んでいると、どうしても考えさせられます。

FXは本当に“投資”なのか、それとも“ギャンブル”なのか。

もちろん、正しくリスク管理をすれば投資として成立するでしょう。

しかし、くるみちゃんのように高レバレッジで資金以上の取引をしてしまえば、それはもう“借金をかけたギャンブル”と変わりません。

そして恐ろしいのは、その境界線がとても曖昧だということです。

本人は「取り返せる」と信じている。

でも外から見れば、明らかに危険な状態。

このズレが、悲劇を生む。

それでも続きを読むのをやめられない理由

ここまで救いのない展開が続くと、普通は読むのが辛くなるはずです。

それでもページをめくる手が止まらないのは、「この先どうなるのか」という強烈な引力があるからでしょう。

くるみちゃんはここから立て直せるのか。

それとも、さらに深い地獄へ落ちていくのか。

正直、怖いです。

でも同時に、目が離せない。

作者が本当に描きたかったのは、この“どうしようもない現実”なのだと思います。

まとめ|FXの本質を知るなら必読の一冊

『FX戦士くるみちゃん 7巻』は、スイスフランショックという実在の事件を通して、投資のリスクと人間の弱さを容赦なく描いた作品です。

可愛らしい絵柄とは裏腹に、その中身は極めてシビア。

読後には、「軽い気持ちで相場に向き合ってはいけない」と強く感じさせられます。

FXをやっている人はもちろん、これから始めようと思っている人にもぜひ読んでほしい一冊です。

きっと、相場に対する見方が変わるはずです。


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